更年期を迎える・迎えた女性の心のケア

     更年期にみられる心理・社会的変化

  @ 身体・・・・・体力の衰え、容姿の変化、若さや美の喪失、病気罹患

  A 家庭・・・・・子供(思春期の問題、受験、卒業、独立、子育ての終わり)

            夫(仕事の問題、リストラ、定年退職、収入の低下、病気罹患、不仲、別居、離婚、死別)

  B 近親、友人・・・・・介護、疎遠、離別、死別

                これらが心理的ストレスとなり、うつ、不安など精神症状を来す背景となる。

        うつと更年期の注意点

   1.うつ病は増えている:中年期はうつ病の好発時期であり、うつ病は女性に多く、発症頻度は男性の約2倍である。 

   近年、あらゆる年代でうつ病は増加している。都市化する社会ほどうつ病は増加するといわれる。便利で豊かな社会

   になった反面、コンピューター化による社会変化、人間関係の疎隔化、価値観の変化、家族形態の変化などが、

   様々な心理的葛藤を生じさせ、うつ病の増加につながった。

  ▲うつ病は内因性うつ病と神経症性うつ病に大別される。

   内因性うつ病:はっきりとした病因は不明である。脳内の神経伝達物質が発症に関与しており、遺伝的要因もある・

   神経性うつ秒:ストレスの多い環境や人間関係など、心理的要因で発症する。近年増加しているのはこのタイプである。

  2.更年期のうつ病の特徴:うつ病では、気分、思考、行動の3領域に症状が起きてくる。

   気分ではよくうつ気分が主症状(朝気分が悪く、夕方から好転する)である。他に、不安、イライラ感、悲哀感などが現れる。

   思考面では思考制止(考えがスムーズに働かなくなる、決断力がなくなるなど)

   行動面では精神運動抑制(不活発、行動が少なくなる、億劫になるなど)が起きてくる。

   このほか、不眠、倦怠感、頭痛といった体の痛みなども頻度が高い。

   うつ病が重症になると、妄想、自殺企図、希死念願、手首のカットなどが出てくるので周りの人は注意が必要。

   女性と男性との比較では男性は症状があるのにあると認めない傾向があり、女性は症状に固執して大げさに訴えやすい。

   男性はうつ病により仕事に困難を感じるのに比べ、、女性は夫との関係に困難を感じる傾向がある。

  3.更年期うつ病の心理的要因:

  更年期は心理・社会的変化の大きい時期だけに、更年期のうつ病発症のきっかけに心理的要因を見出す事が多い。

      夫:嫌悪感、不仲、非協力的、浮気、病気などでうつ病に

      子供:不登校、引き子もりなどで非協力的夫との不仲も加わりうつ病に

      父母:義父母、介護、死別をきっかけにうつ病になる。

      その他:仕事、兄弟、自分の性格など

 4.うつ病と更年期障害との関係: 

   更年期障害の患者にうつ症状が出現した場合、更年期障害のうつ症状として捉えるか、うつ病なのかの鑑別は重要である。

   2週間以上持続するうつ症状があるときは、更年期障害にうつ病が合併したと考える。

   うつ症状が生活に支障が出ないほどの軽症であり、持続も2週間未満か、もしくは時折出現する程度である場合は

   更年期障害のうつ病と捉えてよいだろう。

         更年期のおすすめのライフスタイル  

  1.閉経をネガティブに考えない。あまり悲観的かつ杓子定規しゃくしじょうぎに閉経を考えない方がよい。

  2.ソーシャルサポートを高める。家族、友人など相談に乗ってくれる人が多いほど精神的に安定している。

  3.ライフイベントが多いときは注意。子供の独立、夫の退職、介護、離別、死別など生活上の出来事が多い時は心理的ストレスになる。

  4.身体面の健康が心の健康につながる。更年期には生活習慣病などの内科疾患も起きやすい。身体面で不健康な人ほど

    うつ病になりやすい。身体面の健康は、心の健康にとっても重要である。