医者の

  ◎日本は時代遅れ 理想の癌治療設計

これからの癌治療は免疫抜きには語れない   癌の完治を診断する検査方法はないか?
 21世紀にふさわしい癌治療設計を考えよう  癌医療の体系を見直して国民医療費の削減を

  これからの癌治療は免疫抜きには語れない 

  ✱無知を自覚していない医者こそ罪深い  「無知は罪である」という言葉があります。人生訓として奥の深い言葉だと思いますが、無知な人は知らずに罪を犯してしまうから罪深いのだという

  解釈があります。これを「医者の罪」に置き換えれば、明快なイメージが浮かび上がってきます。患者さんが自分の病気について知らなくても罪には当たりませんが、医者が無知ではどうしようも

  ありません。プロとして知るべきことを知ろうとしないのは、明らかな罪だといえるでしょう。日本の癌標準治療や、その上に構築された「放置療法」は、20世紀の遺物で、時代遅れです。

  医療のプロなら「気ずいていませんでした」という言い訳は通用しませんでした。それに気ずいていないこと、或いは目をそむけようとしているところに、医者の罪と罰があります。

  ✱癌は、後天的免疫不全の病気  癌と言う病気は、免疫と言う視点から見ると、免疫力が低下する後天的免疫不全の病気です。ですから、何より免疫を治療して健常者と同じまでに向上

  させることが完治への課題です。21世紀の医者が、免疫を無視して癌専門医を名乗るのは恥ずかしいことだと思わなければなりません。もしも「感染者の大家」と呼ばれる医師がいたら、

  その人は感染症免疫のことを良く知っているはずです。癌免疫を無視した癌治療というものは、21世紀の現代では最早ありえないのです。最近は、先述した免疫チェックポイント阻害薬の

  登場で、標準治療の医師も盛んに免疫を語るようになりました。であるならば、癌免疫に依拠した治療を否定してはおかしいでしょう。どの免疫療法が有効なのかを論じるのは、免疫療法を

  肯定してからの問題です。免疫チェックポイント阻害薬は決して夢の新薬ではありませんが、癌の治療に免疫が重要である認識させた功績は大なるものがあります。抗癌剤のエビデンスでは

  なく、免疫の理論を土台にした21世紀の癌医療を構築していきましょう。その際には、実績のある標準治療は積極的に活用しながら、そこに「免疫」というピースを当てはめるのです。
 
  「標準治療と免疫療法は、どちらがいいのか」今更そんなことを論じるのは、ガソリンエンジン車と電気自動車ではどちらがいいのか、などを論じるようなものです。電気自動車は排ガスが

  ないので、大気汚染の心配がありません。jこれが将来のモータリゼーションの主役になるだろうと言うことは、誰でも予想できることです。しかし、まだ給油所にあたる充電ステーションの整備、

  一度の充電での走行距離など、一気に電気自動車を普及させる条件は整っていません。今すぐ全ての車を電気自動車に切り換えろなどといっても無理な話です。それに近い将来、電気自動車や

  燃料電池車が全てに取って代わるかどうかなど誰も予想できません。現在のハイブリッド自動車がガソリンエンジンとモーターで駆動する電気エネルギーを使い分けているように、標準治療と

  免疫療法を使い分けて完治を目指すのが、現時点で最も現実的であり、有効な癌治療の道筋です。

  21世紀にふさわしい癌治療設計を考えよう

  ✱抗癌剤の中心に分子標的薬を位置ずける  従来の抗癌剤(殺細胞剤)は、全否定すべきではないが、徐々に分子標的薬に置き換えていくべきです。いくら殺細胞剤を投与しても進行癌が

  完治しないのは、癌細胞だけでなく、NK細胞まで殺してしまう薬だからです。しかも、最近注目されている「癌幹細胞」は癌細胞の女王バチのような細胞で殆ど増殖しないため、分裂する細胞

  だけに襲い掛かる殺細胞剤は全く無力です。そしてある時突然増殖して、転移・再発するのです。このような殺細胞剤の限界は、癌専門医であれば誰でも知っていることです。60年前から

  使われている殺細胞剤にいまだに依存しているのは、先進国でにほんだけ。時代遅れとしか言えません。欧米では、最早殺細胞剤に代わって、分子標的薬が化学療法の主流になっています。

  21世紀にふさわしい癌医療を構築するには、その欧米のトレンドに見習うべきでしょう。欧米との保険制度の違いを乗り越えて、分子標的薬を正しく使える医療システムに変えていくべきです。

  殺細胞剤では死滅してしまうNK細胞を温存するためです。それでは、殺細胞剤から分子標的薬に取って代われば全ての癌は完治するのでしょうか。実は、残念ながら延命でしかありません。

  免疫チェックポイント阻害薬を使っても可能なのは延命でしかないのです。それは、分子標的薬は直接癌を殺さないからです。癌を殺すのはNK細胞だけなのです。しかし、癌が体内を免疫抑制

  状態にしている限り、NK細胞も癌を殺すことはできないのです。癌を完治させようとするなら、体内の活性を最大化することです。但し、いくら体内に薬剤を投与しても、癌がある限り、NK活性を

  最大化することはできません。体内のNK細胞を活性化させることに、過去そして現在の医師たちはことごとく失敗してきました。その負の学びの上に築き上げられたのが、体の外でNK細胞を

  活性化するANK療法なのです。

  ✱
硬直したガイドラインではなく一人ずつの「治療設計」を  癌の性質や状態は、人によって千差万別です。個々の患者さんに合わせて、治療法の組み合わせや、その順番を考えることを

  「癌治療設計」と呼んでいます。これは、標準治療のガイドラインやプロトコルとはかなり異なる概念です。まず、「癌治療設計」のゴールは延命ではなく、どんな紆余曲折を経ても、目指すところは

  癌の完治にあります。自由診療の臨床医である私は、ここの患者さんに対して、様々な治療法のメリット、デメリットを考慮しながら、使える武器を総動員するスタンスで相談にあたっています。

  もちろん患者さんが主治医に提案された標準治療を、その中心においています。免疫療法も選択肢に入れて治療設計を考えるとどうなるか。例えば、「抗癌剤治療は是非受けるべきだが、

  その前にリンパ球を採取して強いNK細胞を育てておきましょう」とか、「今は手術不能ですが、ANK療法が効いて転移巣が消えたら手術できる病院を紹介しましょう」といった相談になります。

  癌治療は、様々な性質を持つ癌に対して、一律の手順を当てはめてもうまくいくとは限りません。臨床医の使命はデータを取ることではなく、病気を治して命を救うことですから、物事を柔軟に

  考え、臨機応変に治療設計を変更することも意識しています。今述べたように、私はこれらの患者さんを、エビデンスを得るために治療したわけではありません。二重盲検試験(ダブルブラインド)

  も何もなく、いわゆるエビデンスとしての形はなしていません。そんなことは、どうでもいいのです。私のクリニックに来る患者さんの殆どは、本来1~2年のうちに亡くなってもおかしくない人が

  少なくありません。幸いANK療法を取り入れた治療を組み立てたことで、元気に生きておられる方がいます。その事実が重いのです。ANK療法も万能ではありません。全身に癌が転移している

  状態でANK療法を単独で実施しても、成果を上げることは非常に厳しいので、分子標的薬を併用して戦いを有利にしようと努めています。私が常々訴えているのは、癌と診断されたら早期に

  免疫細胞療法と標準治療を組み合わせを考え、本気で完治を目指す治療設計をしていくべきだと言うことです。