医者の

  ✱粘膜内にとどまっているうちが完治のチャンス

  癌放置療法の根拠とされている「本当の癌は、初めから転移している」というのも大きな嘘です。経験的には、「未分化型の癌の一部は、初めから転移していることがある」というのが事実です。

  癌の進行度(ステージ)は、部位ごとに0期からⅣ期に分けられるが、0期や1期の癌は粘膜内にとどまっていて、まだ転移していません。この段階で手術し、全て取りきることができれば、事実上

  癌は完治します。これをK医師は「がんもどき」と呼んでいるようです。こうした早期癌が転移していないのは、”まだ”粘膜を支えている基底膜を突き破っていないからで、「がんもどき」では

  ありません。癌細胞の定義は、不死化して自律的に増殖する細胞です。但し、この「癌細胞」という名前を、「チフス菌」とか「NK細胞」などのように具体的な固有名詞だと思わないで下さい。

  癌細胞というものは”千差万別の増殖”をしている細胞です。それが、更に”千差万別”の異常性を増していくのです。仮に百歩譲って、粘膜内の癌がまだ転移する能力を獲得していなかった

  としても、「転移する癌に化けるのは時間の問題」なのです。基底膜の下の筋層まで達すると、癌細胞は、血流に乗って転移しやすくなり、その前のタイミングを逃がしてはいけないのです。

  一般の人には意外と不評だった癌放置療法

  ✱癌と診断されたら貴方は放置しますか?

  誤解がないように補足しておきましょう。「癌放置」に否定的なことはもちろん、たいていの医師はk理論に疑問を呈しています。癌放置療法は、プロの目から見て

  まともではないのです。しかし、一部の有力なメデイアの取り扱いなどに影響され、一般の人が「癌放置理論」に引きずられてしまうことは往々にしてあるでしょう。

  これはかなり心配なことです。そこで、一般の人がどれくらいK理論を知っているのか、どう思っているのか、独自にアンケート調査をしてみました。アンケートに答えてくれたのは、

  普段から産業医として多くの企業の検診に携わっている関係で企業の皆さんです。20~80代の男女491人から回答をいただき、うち、癌の患者さんは10人でした。

  思ったほど知られていないK理論

  1問目の「貴方はK医師の癌放置理論を知っているか」の問いには「知っている」とした方が22%(108人)。「知らない」と回答した人が78%(383人)でした。マスコミなどで大きな話題を集め

  、その著書に出版社からも賞を贈られているK氏の理論ですが、実際には、8割の人に知られていないことが分かりました。特に若い世代ほど、K理論を知らない傾向が強く、20~30代

  では86.3%の人が「知らない」と回答しています(若い世代には、癌そのものへの意識が低いのかもしれませんが)。男女別に見ると、知らなかった人の割合は男性の回答者で76.7%(234人)、

  女性の回答者で81%(133人)で、知らない人の割合は、女性のほうが高いことが分かりました。

  K理論を正しいと考える人は5%弱

  次に、「K理論を正しいと思いますか」という問いを設けました。アンケート用紙にK理論の要約を掲載し、1問目で「知らない」と答えた人にも、それを読んで回答して

  もらえるようにしました。その結果、「正しい」回答したと人は4.5%(22人)しかいませんでした。それに対して、「間違っている」と回答した人は92.3に達しました。大部分の人は、

  癌は治療せずに放置してもよいとするK理論を、受け入れがたい主張だと考えていることが分かりました。

  自分の癌を放置しようとする人は更に少ない。

  最後の設問は「貴方は癌になっても放置しますか」としました。この問いには、「放置したら進行するので治療する」と答えた人が94.7%(465人)。殆どの人は、なんらかの治療の必要性を

  考えていました。一方、「放置する」と回答した人も3.7%(18人)いましたが、これは2問目でK理論を「正しい」と答えた人の割合(4.5%)より更に低いものでした。例え、

  理論的には正しそうだと思っても、実際自分が癌になった時、治療せずに放置するという選択には抵抗が大きいのだろうということが伺えます。回答した方々は

  専門家ではありませんから、そうした一見、矛盾するような回答はあるものです。一般の健康な人は、癌を放置して大丈夫という専門家がいれば、「つらい治療を受けなくて済むのかな」

  と期待するはずだからです。しかし、実際に癌になった場合のことを考えれば、「放置すると進行するのではないか」という心配がぬぐえなくて当然です。患者の中には、以前は癌放置療法

  を信奉していたという人達もいます。そして、複数の人たちが、川島なお実さんの闘病の経緯を知って、癌放置療法が信用できなくなったと言っています。K医師個人を攻撃したいわけでは

  ないが、彼の放置療法は、よくマスコミに取り上げられ、それを信じる一般の人たちも一部いらっしゃいます。これは医者の罪と罰を象徴している気がします。患者をミスリードする医者の

  罪は、重いと言わざるを得ません。