骨租しょう症

    日本人の全人口の10%、1000万人以上がこれに罹っているといわれます。女性のほうが男性より数倍多い。単なる老化現象ではなく

  栄養のとり方に関係が深いので、生活習慣病の代表ともいえるものです。

  骨は体の形をしっかりと保ち、外から加わる力から体を守る他、運動器官として、筋肉の支点となり体を自由に動かすのになくてはならない

  ものです。中年では寝たきり状態になる原因として脳卒中が一番多いのですが、高齢では骨粗しょう症がトップです。

  骨折、また関節の変形などが寝たきりの原因として最も多くなっています。腰が曲がり背中が痛いのは殆ど全てのお年寄りに見られる

  持病のようなものです。背中が曲がると胸腔が狭くなり、呼吸困難、また鎖骨が下がってきて骨盤と接触し、頑固な痛みを起こすことも 

  あります。腹腔のほうでは横隔膜が下がってくるために腹圧が上がって胃が食道のほうに押し上げられて逆流性食道炎が起こったり、

  胃潰瘍ができたりすることもあります。

  ▲骨粗しょう症はカルシウム不足が原因だが、血液中のカルシウムを一定に保たないと心臓や脳の働きが損なわれ生命を維持できないので、

   副甲状腺ホルモンが大量に分泌されて、骨からカルシウムを取り出すため、骨のカルシウムが足りなくなるのです。この他にこのホルモンは

   血管の壁や脳の細胞、免疫細胞の中、脾臓の細胞の中、また軟骨の中にカルシウムを押し込んでしまう働きがあります。

  高血圧、動脈硬化、糖尿病、肺炎その他の感染症、癌、変形性脊椎症や関節症は、カルシウム不足が骨粗しょう症と並行して起こす

  病気で健康と長寿の大きな障害になります。カルシウムの欠乏が骨のカルシウムを減らすが、その裏には逆にカルシウムが増加して

  パラドックスのように起こる多くの生活習慣病が隠れているのです。

                                  カルシウムパラドックス病

   カルシウム欠乏  →  副甲状腺ホルモン  →   骨のカルシウム減少   →    骨粗しょう症

                  分泌増加          血管壁のカルシウム増加   →  高血圧      動脈硬化               

                                脳細胞のカルシウム増加  →   アルツハイマー病

                                脾臓インスリン分泌細胞のカルシウム増加  →  糖尿病

                                いろいろな細胞の中のカルシウム増加  →  がん

                                軟骨のカルシウム増加  →  変形性関節症      変形性脊椎症

                       ★骨粗しょう症が起きるメカ二ズム

  骨は生きていて、絶えず作り替えられて新しさを保ち、成長に伴い見違えるように大きく太くなり、大人になってからも運動して鍛えると

  形も変わり強くなり、骨折が起こっても自分で修復します。

  骨はコラーゲンや多糖類の網目の中にリン酸カルシウムの結晶が詰まっている鉄筋コンクリートのような構造をしています。

  破骨細胞という骨を壊す細胞が絶えずその一部を壊し、骨芽細胞という骨を作る細胞が新しくコラーゲン繊維を作り、また血液からの

  カルシウムの沈着(石灰化)を助けています。

  健康な骨では骨芽細胞と破骨細胞の間にちょうど良いバランスが保たれていて、骨量は一定に保たれます。しかし、カルシウムの量が

  足りなかったり尿中にカルシウムが多量に排泄され体から失われたりすると、一時的に血液のカルシウム濃度が下がり、副甲状腺

  ホルモンの分泌が増えます。その結果、破骨細胞の活動が盛んになって骨が壊され、カルシウムが骨から出ていき骨粗しょう症が起こる。

    ビタミンDの摂取不足     カルシウム摂取不足  

    日光に当たる事が少ない → 腸管からのカルシウム →  カルシウム → 副甲状腺ホルモンの

    腎臓で活性型ビタミンD    吸収低下                不足      分泌増加  →   破骨吸収 → 骨量 →骨租

    が作られない                                                  の増加    減少  しょう症                                                                                                          /        /                                  /                                              ↑

    エストロゲン欠乏   / \ /  ―――――――――――――――――――――――――――┘          |

                    /    尿中カルシウム/                                       |

    副腎皮質ホルモン /――→   排泄増加                                     骨形成の   

    長期服用            / ――――――――――――――――――――――――――――→  減少

    運動不足         /     ――――――――――――――――――――――――――――

                             ★ 更年期におけるカルシウム不足の要因

  女性では更年期にエストロゲン(卵胞ホルモン)の分泌が止まることによって破骨細胞の働きが盛んになるが、これは

  エストロゲンには腸からのカルシウムの吸収を支える働きがあって、これが急に失われるとカルシウムの不足を起こすためです。

  またこの時、尿の中にもカルシウムがたくさん出て行きます。

             ★ ストレスとカルシウム不足

  今はストレスの時代で、ストレスを受けるたびにアドレナリンやコルチゾールのような副腎ホルモンが出るが、このため

  血液のカルシウムが下がり、尿の中にカルシウムが失われていき副甲状腺ホルモンが骨からカルシウムを取り出すことになります。

             ★ 運動不足が骨に与える影響

  骨は外から加わる力が大きいほど丈夫になるが、逆に何も力が加わってこないとき筋力が落ち、骨も減り始めます。

  宇宙での無重力状態、1週間の入院でも骨芽細胞は骨を作るのを止め、骨は減り始めます。また尿から多量のカルシウムが排泄され

   カルシウム不足も起こります。年をとると運動することが少なくなるほか、日光に当たらないので皮膚で紫外線によってできるビタミンD

   が不足し、そのため腸からのカルシウム吸収ができなくなってカルシウム不足と骨租そしょう症を起こしやすいのです。

   腎臓ではビタミンDを活性化して実際に役に立つように仕上げをするが、年をとるとともに腎臓の働きも落ち活性化する作用も失う。

   カルシウム不足と副甲状腺ホルモンの分泌が進み、さらに骨からカルシウムが失われ骨そしょう症が進んでいきます。

  

                                                                                    老化に伴う生理現象で、誰でも骨量が減り、身長も多少縮む。

成人の頃の身長に比し2cm以上、年間1cm以上低くなれば

骨祖しょう症で腰椎に圧迫骨折が起こっている可能性が高い。

▲特に60才以上の女性は身長を定期的に測定する必要大

早期発見でカルシウムの摂取と適度な運動で骨折を予防する事。

  

                ★カルシウムセオリー:骨粗鬆症の原因をカルシウムの不足で説明しようとする説

  @すべての骨粗鬆症の発生を、女性の閉経期のエストロゲン欠乏によるものから、男女共通の老人性骨粗鬆症、ストレスと副腎皮質

   ステロイドによる骨粗鬆症まで含めて、1元的に説明できること。

  Aよく吸収されるカルシウム、またはこれと活性型ビタミンDを使うと、それだけで骨粗鬆症は改善し、さらに骨からカルシウムが出ない

   ようにするため破骨吸収抑制剤、すなわち、カルシトニンやビスホスホネートを加えると骨粗鬆症による痛みも改善し、骨量が増加す

   ることで、骨折も減少し、骨粗鬆症は本当に治る病気であることが証明されたこと。

  Bカルシウムの不足は骨粗鬆症だけでなく、高血圧、動脈硬化、糖尿病、癌、アルツハイマー病、変形性関節症や脊椎症など、骨では

   カルシウムが減るのに副甲状腺の働きで、逆にカルシウムが普通は少ないところで増えてくるカルシウムパラドックス病すなわち

   殆ど全ての成人病、または生活習慣病の原因であることが明らかにされたこと。以上今では広く世界に認められています。

                 ★骨粗鬆症の診断基準

   骨粗鬆症は伝染病のように、ある病原体が見つかれば診断がつく、そうでなければ安心というように黒白をつけて診断する病気

   ではありません。危険度の高さによりどこで線を引くかを統計的に計算してきめます。

   危険因子といえば女性であること、痩せている人、あまり運動しない人、カルシウムや乳製品をあまりとらない人、酒、コーヒーをよく

   飲む人、タバコを吸う人、胃腸の弱い人や手術をした人などがあります。高齢の人ほど危険は高くなります。

                ▲腰椎の二重エネルギーX線吸収法(DAX:デキサ)で

    骨量が若い人の平均値の70%以下しかない人 → 骨粗鬆症

         同          70〜80%        → 骨減少症

    脊椎のレントゲン写真でひとつでも圧迫骨折があれば80%以下はすべて骨粗鬆症とします。 

    ✱近年、骨密度を上げることに役立つと注目されている成分が「MBP」です。ミルク・ベーシック・プロテインの頭文字を取ったもの。牛乳にはたんぱく質がたくさん含まれて

   いるが「MBP」はそのたんぱく質の中でもごくわずかしかない天然成分で、たんぱく質の複合体です。これが数々の研究で骨密度を上げる確かな効果が示されている。

  若い女性・更年期を迎えた女性にも骨密度が上がっている。骨粗しょう症の薬物療法は「ビスフォスフォネート」が主に使われ成果を挙げているがMBPはこれに次ものです。

  現在、サプリメントの形で市販されているので骨粗しょう症の心配の方はぜひ採っていただきたいものです。