健康寿命120才説

  ◎一生で、食べる量と呼吸の数は決まっている           ―少なく食べて、ゆっくり呼吸せよ  

少なく食べて、ゆっくり呼吸せよ 長息の効用と、やり方
152才が教える長寿の秘訣 「老ける人」と「若い人」の違いは?

  ◯少なく食べて、ゆっくり呼吸せよ

  太く短くか、細く長くか

  94才まで生きた著者の祖母に長寿の秘訣を尋ねると、祖母は「おまんまは手の平に載るぐらいを、ゆっくり噛んで食べたら良い」「吐く息は、細く、長く,吐いたら良い、長い息は長生きだ」と。

  祖母が語ったのは「少食」と「長息」だったのです。jこの祖母は母によると牛乳どころか、卵も口にしなかったそうだ。それだけ、昔の農家は貧しかったわけですが、今風に言えばベジタリアン

  で、ヴィーガン(完全菜食)だったわけです、高齢者で、食べるのだけが楽しみという方もいます。食欲旺盛はいいのですが、過剰な食欲は命を縮めます。「食い納め」が早く来るからです。

  「大飯食らい」「気忙しい」は短命

  一生に「食べる量」「呼吸の数」は決まっている・・・。これはヨガの教えでもあります。ヨガは5000年以上の歴史を誇る心身哲学です。同じように古代中国から、次の言い伝えがあります。

  「少食長寿)「長息長命」つまり、少なく食べ、ゆっくり呼吸せよ、という教えです。更に中国では仙人の長寿法として、仙道が伝えられています。そして、ヨガの流れをくむ仏教の一派、禅宗も、

  やはり「少食長寿」「長息長命」を説いているのです。だから、少なく食べる「少食方」と、息を長く吐く「長息法」は、長寿の2大秘法と言っていいでしょう。逆に「大飯食らい」は”食い納め”が

  早く来る。「気忙しい」と「吸い納め」が早く来ると言うわけです。

  子供は少し飢え、震えさせよ

  そういえば、古来から日本では「大男、大女に長命なし」という諺があります。それは、大食い癖は早熟を招き、早熟は早老を招くということを意味します。動物はその成長期間の約5倍生きる

  そうです。昔は20才で、成人となりました。すると20才 X 5倍で100才生きることになります。しかし、飽食・美食の現代は成長も早く、10才で大人の体格になる早熟な子すらいます。すると

  10才 X  5倍は50才で、この子の寿命は早まってしまうのです。「長寿者たちは、身体的発育のペースが遅い。30才代前に婚姻することは難しい。その代わり、男110才、女60才を過ぎてか

  らの出産は可能だ」(森下博士)「子供は少し飢えさせ、少し震えさせて育てよ」(養生訓)は、どうやら正しいようです。早熟に長命なし。子供に好きなだけ食べさせる。それは、その子の寿命

  を縮めます。子供に美味しいものを、腹いっぱい食べさせたい。それは親なら誰でも思う愛情です。しかし、生物の原理からすると、それは、逆に子供を不幸にしかねないのです。暖衣飽食で

  子供を育てると虚弱肥満で育つ。その子は、長じて苦労することになります。「貧家に孝子()ず」ーこれも江戸時代からの教訓。貧しさこそが、子供をたくましく、賢く育ててくれる。それは

  妊婦にもいえます。「小さく産んで、大きく育てる」。これは妊婦の大食を戒めたものです。妊娠中も、胎児は少し飢え気味のほうが、出産後丈夫に育つのです。つまり、胎児にもファステイング

  は必要といえます。

  ◯152才が教える長寿の秘訣

  152才ヨガ行者に学ぶ

  ヨガの沖正弘導師は、若い頃インド修行で、152才のヨガ行者に面会しています。「その姿は、痩せ気味であるが、がっしりした、いい体格だ。胸毛の生えた胸をグッとそらし階段の上に立った」

  身体つきは、どう見ても50代にしか見えない、と言うから驚きです。1960年、伝説の行者は地上3mの掘っ立て小屋で瞑想の日々を過ごしていました。沖先生が「どういう方法で152才迄生き、

  どうして元気なのか?なにか秘法でもあるのですか?と尋ねると、「別に長生きの努力をした覚えはない。強いて言えば、不合理な欲を持たず、唯ひたすらにヨガの教えを実行してきただけだ」

  沖青年は、その生活ぶりを観察し、記録が残っています。「食事の量は、実に少食だった。1日の食事が、小さな皿に一杯ぐらいだった。主食は玄米やアワなどを蒸した物とか、玄米粉とソバ粉

  を混ぜた物。副食は日によって違うが、牛乳、青菜、ニンニク、玉ネギ、青唐辛子、人参、豆類など、全て生で食べていた。果汁。リンゴ酢、マンゴー酢、サトウキビ汁、蜂蜜、クルミを常食し、梨 
  の汁なども時々飲んでいた。長寿郷の百寿者たちと共通性に驚きです。

  ほごろかな、くつろいだ気分で

  152才は食べ方も、常人とは異なっていた。「何を食べる時でも、よく噛む。水や牛乳は、口に長く入れておいて、唾液を多く含めるようにする」「少し食べて多く働き、よく眠るのがよい」「身体を

  グッと締めると、全身の血行が良くなり、骨が強くなる」更に、。「呼吸を止めて、身体に力をこめたりするのは、その意味で良い」「呼吸が浅い人は、早死にする」これはヨガの教訓です。長寿

  郷の多くは山岳地帯であり、山岳生活者はいやがおうでも上り下りで足腰が鍛えられ、呼吸が深くなる。都会生活では逆ですね。家の中の”居たきり老人”は、階段を一段おきに上るなど

  足腰、呼吸を鍛える工夫が欠かせません。少食と呼吸の仕方が鍵になるというわけです。152才の生活態度は、①決して、無理をしない ②よく働き、よく考える ③少食にすること ④瞑想を

  実行して、頭を休める ⑤ほがらかあ、くつろいだ気分で毎日を送る ⑥少しずつ、ちょこちょこ眠る ⑦疲れを後に残さない ⑧緊張と弛緩リズムで生きる ⑨好奇心を絶やさず、思索する

  ⑩時に体操、気合で身体を引き締める 全てあなたにも、できそうなことばかりです。

  自然体なら120才まで生きる

  jここで、古代ギリシャの医師ヒポクラテスの教訓を述べます。その箴言は、現代にまで、伝えられ、医聖として、今も高く尊敬されています。その言葉が、長寿郷の老人に当てはまります。

  ▼病気とは、自らの治癒力で自然に治すものである ▼人は生まれながらに、100人の名医(治癒力)を持っている ▼人は自然から遠ざかるほどに、病気に近ずく ▼食べ物で治せない病気

  は、医者もこれを治せない ▼満腹が原因の病気は、空腹によって治る ▼病気は、食事と、運動により治療できる そして、最後に、医聖はこう諭すのです。―人間がありのままの自然体で

  自然の中で生活すれば、120才まで生きられる―これは、まさに森下調査団が踏破した長寿郷そのものの姿です。約2500年前に医聖が思い描いた理想郷に、超長寿の人達は生きていたの

  です。