老いるほど血管が強くなる健康法

  健康とは、ただ病気がないという状態ではなく、積極性に溢れ、活力に満ち、精神的に強靭で、身体的にも活動的である状態を指します。血液が全身に(たぎ)っていく様子を思い浮かべてみて

  下さい。いかにもエネルギッシュで、意欲が湧いてこないでしょうか?脳や心臓と言った臓器や筋肉は、血液中に含まれる酸素や栄養素によって活性化し、機能します。人間のほとばしる生命

  力は、血液を運ぶ血管の力によって引き出されています。つまり、私達の健康は血管力によって左右されているのです。反対に、血管力は低下しても殆ど自覚症状がありません。気付かぬ

  うちに進行し、昨日まで全くの健康体だと思っていた人に突然死をもたらす引き金になります。血管力はまさに人間の生命線、長く生き生きと過ごすためには、強い血管を保つことが何よりも

  大切です。身体に悪いことは分かっているけど「甘いものが食べたい」「脂っこいものが恋しい」のです。1日2日は我慢できても、一度そう思ってしまったら、頭から食べ物のことは離れません。

  また運動を習慣にするのは大変です。これまで運動してコなかった人が、医者に言われたから始めようと思っても、すぐにはリズムが出てきません。ですから、生活習慣を変えて健康を増進

  するためにはコツがいります。その鍵が自律神経です。私達は「楽しかった」「うれしかった」という記憶を積み重ねて生きています。大変な思いをしても、その後「良かった」という気持ちになる

  瞬間があります。その感情をきちんと記憶するよう意識すれば、楽しみになります。又やってみようと思えます。これは誰もが日常でやっていることです。山登りをして素晴らしい景色を見たら

  「ああ、この景色を覚えておこう」と感じます。この「楽しい」「気持ちいい」というイメージを作っているのが、自律神経の働きです。「老いるほど血管が強くなる健康法」とは、自律神経をコントロ

  ールして、血管を高める生活習慣を築いていくことです。人間ですから、全く隙や無駄のない人生は楽しいとは思えません。何処かで必ず不摂生や夜食をしたり、タバコを吸ったりします。

  ただ、楽しいと健康管理の境を知っておくことで、行動が変わるきっかけになります。健康を保ちながら人生を楽しむ。それは難しいことではありません。自分の身体との付き合い方を知って

  いれば、いくつになっても血管は強くなります。皆さんがいつまでも若々しい血管のまま、健康に縛られるのではなく、前向きで楽しみながら健康的な生活を送れる方法を述べます。 

血管が何故身体の老化を左右するのか? 血管の老化が引き起こす隠れ循環器系疾患 老いを活かして無理なく血管を強くする

                                                  

  ◎血管が何故身体の老化を左右するのか?

血管力とは何だろう? 何故詰まる、硬くなる血管ができてしまうのか?
血液量は多いほうがいいの? 血管は若返らせる事が出来る?

  ◯血管力とは何だろう?

  心臓外科医がこれから地球2周半の長さを誇る長い長い人間の血管のお話をしていきます。心臓外科医は心臓だけを診ているわけではなく、専門領域は循環器系です。これは、血液や

  リンパ液といった体液を体内に循環させる一連の器官のことを指します。血液が全身に行き渡ることで酸素や栄養が細胞へ運ばれます。反対に細胞から老廃物が出ると血液中に取り込まれ

  て流れていきます。この営みが、人間の身体を活力あるものにします。心臓から拍出された血液が、血管を通って全身の細胞へ運ばれ、再び血管を通して心臓に戻る。この循環によって、

  私達の身体は機能しています。即ち、血管力を高めることで、健康が手に入るのです。では、どのように血管力を高めればよいのでしょうか?血管のことを語ろうと思えば、心臓の話が出てき

  ますし、心臓について話そうと思ったら、血管に触れない訳にはいきません。病院では「心臓血管外科」という案内板が掲げられています。心臓と血管は切っても切り離せない関係です.。

   日本人の死因第1位は癌、第2位は心疾患、第3位は脳血管疾患。癌以外は循環器疾患という病気に分類されます。ここからも「血管」が

  いかに健康へ大きな影響を及ぼしているか分かります。実際に血管が老化しているかどうか、動脈硬化の進行具合を見れば、肝臓、腎臓、

  胃腸、足腰など、身体全体がどのくらい機能しているかが分かります。血管は、心臓に近いところから大血管、中血管、小血管と細かくなって

  いき、そこを心臓から拍出された血液が流れていくわけです。血液の役割は大きく分けて3つです。①酸素や必要な栄養素を細胞へ送る

  ②細胞で代謝された老廃物を肝臓や腎臓へ運び解毒する ③老廃物を腎臓、肝臓や皮膚で濾過して排泄する 血液中には酸素や
  
  水分の他に、蛋白質、炭水化物、コレステロールといった栄養素が入っていて、身体の隅々の細胞まで運ばれていき、細胞はこれら

  を分解してエネルギーに変えます(代謝)。栄養が滞った木の枝がそれ以上伸びずに花を咲かせないのと同じように、血液がドロドロ

  になると血管が詰まり、その先にある器官(臓器)に十分な栄養がいかず働きが鈍くなります。但し、血管には再生力があり(脳と心臓

  は除く)、血液をサラサラにすることで詰まっていた血管に再び血液が流れ出し、身体も活性化するのです。また詰まった血管の横か

  ら違う血管が伸びてバイパスすることもあります。木の枝分かれと同じ原理です。血管力を高めるとは、こうした血管の再生能力や

  生成能力を高めることです。血管は大きく2種類に分かれ、1つは全身に酸素や栄養を送る動脈です。動脈の血流が良いほど人間は

  活動的になります。一方、代謝によって熱と共に出た老廃物を回収するのも血管の役割です。老廃物は静脈によって運ばれ、皮膚

  からうっすらと見えるのは全て静脈です。老廃物が含まれるので青黒い色をしています。静脈の血液は肝臓で7割ほど解毒され、

  右側の心臓に戻ったら、肺で酸素交換された後、左側の心臓に戻り、残りの3割は動脈を通って腎臓へ運ばれます。そこで解毒され

  て、最後に尿として排泄されます。肝臓で解毒した老廃物はどうなるかというと、胆のうで濃縮されて十二指腸に流れます。十二指腸

  は胃の出口とつながっているため、胃液により消化された食べ物も流れてきます。これらと胆汁、膵液が一緒に混じり合います。

  十二指腸に癌ができると、すぐ近くの胃、胆のう、膵臓とすぐに転移してしまい、そのため、十二指腸の場合はポリープ段階でも

  すぐに除去します。老廃物と消化物は十二指腸から腸に入り、蛋白質などの栄養素が血液に再吸収されて、残りが便として体外へ排泄されます。

  これが血液循環の仕組みです。血液が全身に運ばれることで、酸素や栄養素が十分行き渡るだけではなく、老廃物もしっかり排泄されます。健康の鍵はまさに血管が握っているのです。

  又、血液は21日間で作られます。皮膚は30~50日、筋肉は200日、最も時間のかかる骨でも2~3年で生まれ変わります。血の巡りが良ければ、肌艶も良くなり見た目にも若々しい身体が

  手にはいります。身体の中も外も、老化を左右するのは年齢ではなく循環器系です。血管がうまく機能すれば、いくつになっても若々しく活き活きと身体は働きます。