生涯健康脳

  ◎脳の最高の栄養素は、知的好奇心

脳の最高の栄養素は「知的好奇心」 好きなことや趣味に「デュアルタスク」を取り入れる
楽しい!嬉しい!が脳を元気にする 「コミュニケーション」が脳を活性化する
知的好奇心を刺激する「趣味」を持つ 「音楽」は脳に百利あって一害なし
「新しいこと」をやると脳が活性化する 「音楽」は脳の「報酬系」を刺激する

  ◯脳の最高の栄養素は「知的好奇心」
 
  脳を活性化させるために、「運動」と並んで重要な要素がまだあります。それは「知的好奇心」です。探究心・冒険心・追求心などは、皆「知的好奇心」です。見たい!聞きたい!知りたい!

  行きたい!やりたい!など、様々なことに興味関心を持ち、いつもワクワクときめいている状態は脳にとても良いのです。400名の被験者を8年間にわたって追い、脳がどのように変化するか

  を調べました。その結果「知的好奇心」のレベルの高い人ほど、本来は加齢とともに進む「側頭頭頂部」の萎縮が、他の人に比べて少なく保たれていることが分かったのです。「側頭頭頂部」も

  又、情報の記憶と操作をする「ワーキングメモリー」を始め、様々な高次の認知機能を担当する領域です。このことからも、まさに「知的好奇心」が「認知症予防」の重要な役割を果たすことが

  分かります。また、カリフォルニア大学で行った「知的好奇心と記憶力の関係」調査では、上記の体験を裏付ける面白い結果が出ています。新しいことを学ぼうとする時に、自分の興味関心の

  あることはすぐに覚えるのに、全く興味関心のないものはなかなか覚えられないということが、よくありますよね。この調査では、「人は好奇心を抱いている時には「ドーパミン」という脳内物質

  が分泌されて記憶効果がアップする」ということを科学的に証明したのです。更に「好奇心」を持って取り組んだ時の記憶効果は、「短期的な記憶」だけでなく「長期な記憶」にもなることが分か

  りました。「好奇心」を「記憶」に結びつける、この「ドーパミン」は、「好奇心」を抱いた段階ですでに分泌されることも分かっています。「これも知りたい!」「あれも知りたい!」という「知的好奇心」

  こそ、まさに脳の最高の栄養素と言えます。

  ◯楽しい!嬉しい!が脳を元気にする

  では何故、ワクワク、ドキドキが脳に良いのでしょうか。このワクワク、ドキドキと深く関わっているのが、「扁桃体」と呼ばれる脳の領域と、神経伝達物質である「ドーパミン」です。「扁桃体」は

  アーモンドのような形をした直径わずか1cmほどの小さな脳の領域です。「見る」「聞く」「触る)「嗅ぐ)「味わう」など感覚で得た情報が扁桃体に伝わります。そこで扁桃体は、好きとか嫌いとか、

  心地よいとか不快とか、あらゆる感情に仕分けしていきます。その仕分けの時に、楽しい!嬉しい!美味しい!素敵!と感じた時、扁桃体は「報酬系」と呼ばれる神経器官に指令を出して

  神経伝達物質を放出させます。その報酬系の伝達物質がドーパミンです。このドーパミンが記憶力を高め、又、心地よいという気持ちや、達成感、そしてやる気を生み出します。このプラス

  感情の時に盛んに放出されるドーパミンが、神経細胞から神経細胞へ情報が伝達されることによって、前頭葉はじめ認知機能を担う脳を活性化するとても良い刺激となるのです。

  ではドーパミン以外に、扁桃体の指令によって放出される神経伝達物質はどのくらいあるかというと、記憶に関するもの、快楽ややる気に関係するもの、精神を安定させるもの、生体の

  バランスを整えるもの、痛みを和らげるもの、幸福感につながるものなど、約100種類にも及びます。まさに扁桃体が、感情、つまり人の心を作り出していると言えます。アメリカで修道女を

  対象に行った感情表情と寿命の関係の調査では、若い頃、日記の中で、「喜び」「幸せ」「感謝」などのポジテイブな表現を沢山使っている人ほど長寿であったという結果が出ています。

  これもドーパミンの力が大いに関係しているのではないでしょうか。また「扁桃体」には、もう一つ大きな役割があります。実は「扁桃体」は「海馬」と隣り合った位置にあり、密接に関係しあって

  いるのです。好き嫌いや、快不快の感情は、「扁桃体」から「海馬」に伝えられ、心が揺り動かされるような出来事は強く記憶されます。大切な思い出が「海馬」によって「長期記憶」に

  しっかりと留められるのは、この「扁桃体」が「海馬」に働きかけた事によるものです。又、怖い、危ないという感情も強く記憶され、これによって、人は危険から身を守っています。感情が

  記憶の働きに大きく影響してことからも、感情を豊かにすることが、記憶力を高め、脳を健康にすることが分かります。日々、会話を通して笑ったり、映画やテレビで感動して涙を流したり、

  楽しいと感じることは脳のためにとても良いことなのです。.