健康常識100のウソ

  ◎「生活習慣病の常識」20のウソ

お酒が肝硬変を引き起こす 糖尿病には食事制限が必須だ 腰痛は運動で治す
コレステロールは体に悪い 脂肪肝を治すには禁酒だ 肩こりはマッサージ
血中コレステロール値が高いと脳卒中を招く 動脈硬化は治らない 関節痛にはカルシウム
塩分を取り過ぎると高血圧になる 貧血には鉄分が効く 骨粗鬆にはカルシウム
降圧剤は止めることが出来ない 痛風の原因は抗尿酸値だ リウマチの痛みにはステロイドで抑えるしかない
高血圧は塩分制限と薬で治す 風邪をひいたら医者に行く
血糖値を下げると糖尿病は治る 発熱には解熱剤を使う 体脂肪は少ないほうが良い

  16.お酒が肝硬変を引き起こす

  よく「お酒は肝臓に良くない」と言われるが、この定説も正確に言えば間違っている。アルコール代謝のキーワードとなるのが、アセトアルデヒド

  という物質。アルコールが体内に入り、肝臓で最初の代謝をした時、この物質が生まれる。これが悪酔いや2日酔いの原因だが、アセトアルデヒド

  を水分に変える第2の代謝がすぐに働けば、悪酔いも2日酔いも起こることはない。この第2の代謝でアセトアルデヒドを水に変えるには酵素が

  必要だ。残念ながら、東洋人はこの酵素を遺伝的に持っていない人が多い。西洋人と飲んだ時に、彼らは相当な勢いでお酒を飲んでも、陽気に

  なるばかりでますます杯を重ねるのに、我々はすぐに赤くなって顔に出てしまったり、気分も悪くなる。これは遺伝的に仕方のないことなのだ。

  しかし、一方で同じ日本人でありながら、どれだけ飲んでも顔に出ず、何時まで飲み続けられる人もいる。そうした人を見ると「肝臓が強い」という

  言い方をするが、これも厳密に言えば間違っている。肝臓が強いのではなく、もともとアセトアルデヒドの分解酵素を持ち合わせた人か、或いは、
  
  体内で薬物代謝という機能が働いた結果である。アセトアルデヒドの分解酵素が不足して、アルコール代謝が出来なくなると、本来は汚染物質

  や薬物などを処理するために用意されている薬物代謝が、代わりにアルコール代謝をしてくれる。それ自体は悪くないことだが、薬物代謝の負担

  が大きくなると、本来の仕事が(おろそ)かになってしまう。お酒が好きな人、お付き合いで飲むことの多い人は、薬物代謝に重労働を押し付けている。

  それ自体も問題だが、薬物代謝が働く時は活性酸素が発生する。つまりは、アルコールが直接、肝硬変を起こすのではなく、この活性酸素が

  肝硬変を引き起こすことになる。薬物代謝系の酵素が必要とするビタミンCやEを、活性酸素を退治するためにスカベンジャーをそれぞれ十分に

  摂取すれば肝硬変の心配はない。また、1度に大量のアルコールを飲むと、代謝のためにニコチン酸というビタミンが大量に消費される。

  これはアルコールの代謝にだけ使われるビタミンではなく、他にも多くの仕事があるため、アルコール代謝に集中すると、様々な代謝がスムーズに

  行われなくなる。お酒を飲む時は、ニコチン酸を含んだつまみを食べたほうが良い。代表的なものは、豚肉、なまり節、豆類、チーズなど。

  ニコチン酸のことを知らない先人達も、無意識に理にかなった物をアルコールのお供にしてきたことが分かる。

  17.コレステロールは体に悪い

  生活習慣病といえばコレステロール過多、と連想する人が多いだろう。実際、中年を過ぎた人は、健康診断や人間ドックでコレステロール値を

  気にしているのではないだろうか。しかし、コレステロールの何が生活習慣病に結びつくのだろう。コレステロール値が高いと、多くの医者が

  「食事制限をしなさい」とか「コレステロール降下剤をん飲んでください」という。医者が言うからそうなんだろうと、と「何故コレステロールが悪いのか」

  を理解せずにその指示に従っている人が多いのではないだろうか。コレステロールは病原体ではないし、それが直接、生活習慣病を引き起こす

  ことはない。それどころか、コレステロールは体にとって必要不可欠な物質なのだ。これがなければ、健康な肉体を維持することができなくなる。

  私達の体は小さな細胞が集まってできている。例えば皮膚の細胞はおよそ4週間で代謝回転するようにできており、他の細胞も同様に常に

  新しいものに作り変えられている。そのために、代謝回転の材料となる物を常に用意しておかねばならない。脂質の一部であるコレステロールも

  細胞を作る為の大切な材料の1つだ。全ての細胞が細胞膜に包まれているが、それを作る成分として、コレステロールは非常に重要な存在である。

  コレステロールが足りなくなると、新しい細胞を正しく作ることができなくなる。コレステロールが不足すると、癌ができやすい、と言われるのも

  そのためで、細胞が弱いとその部分が癌化しやすくなる。他にも、コレステロールの効用はいくつかある。例えばカルシウムの吸収に必要と

  されるビタミンD、皮膚にあるコレステロールは紫外線を浴びるとビタミンDの前駆体になる。コレステロールの少ない人はビタミンDが不足し、

  その結果、カルシウムの吸収が不十分になり、骨が弱くなってしまう恐れがある。更に、女性ホルモンや男性ホルモン、ストレスを受けた時に、

  副腎皮質から分泌される抗ストレスホルモンなども、コレステロールがなければ作ることができない。こう聞くと、良い事ずくめのコレステロールに

  感じるが、コレステロールが体にとって問題なのは、そのパッケージが壊れた時だ。コレステロールは肝臓でリポタンパクという蛋白質に包まれ、

  パッケージとして、血液中を流れて、必要なところに届けられる。ところが、血管の中を移動中に活性酸素にぶつかると、リポタンパクが酸化され、

  梱包がほどけてしまう。ここでも活性酸素が悪さをするのだ。これによって、コレステロールもリポタンパクも酸化し、血管中にばらまかれてしまう。

  こうなると大変で、マクロファージと言う掃除機のような細胞が登場して、散乱したコレステロールやリポタンパクを自分の中に取り込んで、片ずけ

  ようとする。しかし、酸化されたコレステロールやリポタンパクの数が多すぎると、マクロファージの働きだけで間に合わなくなる。そこで助っ人に

  なるのが、平滑筋の細胞だ。この平滑筋細胞やマクロファージがコレステロールやリポタンパクを取り込むことで生じるのが、アテローム

  (粥状隆起)である。このアテロームは、脳梗塞の原因にもなる厄介者で、その中には掃除中に取り込んだコレステロールが溜まっている。

  この理由からコレステロールが生活習慣病の元凶のように扱われるようになったのだ。つまり、問題なのは、コレステロールではなく、

  アテロームである。もっと言うなら、アテロームの原因となる活性酸素である。コレステロール自体は必要な物質なのだから、それを減らすのは

  論外。何よりも大切なのは、活性酸素を減らすことだ。或いは、コレステロールをゴミとして体外に出す方法を考えるべきだ。活性酸素を

  減らすには、スカベンジャーを摂取すること。食べ物から摂取できなければ、食事以外のものから摂取しても構わない。ゴミになったコレステロール

  は、胆汁に混ざって処理されるので、肝臓の機能が健康であれば問題ない。コレステロール値が高いとコレステロール降下剤を処方する医者が

  いるが、これには胆石と言う副作用が待ち受けているので、注意したい。