健康常識100のウソ

  ◎「癌の常識」15のウソ

癌は早期発見が大切だ タバコを吸うと肺癌になる 塩分を多く摂取すると胃癌になる
癌は遺伝する 焦げを食べると癌になる 欧米型の食事をすると大腸癌になる
癌は予防できない 発癌物質は癌の元凶 βカロチンが癌を招く
末期癌は打つ手なし 癌の早期発見には検査が大切 「癌を防ぐ為の12ヶ条」を守れば癌にならない
癌の転移は予防できない 免疫抑制剤は万能 癌の原因は「遺伝」「食習慣」「生活習慣」のいずれかである

  1.癌は早期発見が大切だ

  「癌は早期発見が大切だ」という定説の矛盾を理解するためには、癌になるメカニズムを理解しなければならない。私達は生活するうえで、相当な

  エネルギーを使っている。何もせずに唯、息を吸ったり吐いたりしているだけでもエネルギーは消費するし、体を休めていると思っている睡眠時にも

  心臓は動き、エネルギーを消耗している。そのエネルギーを作るのがミトコンドリアという小器官だ。これは、ひとつの細胞に平均1000個あると

  言われるソーセージ型の器官で、ここでブドウ糖や脂肪酸が燃やされて、エネルギーが作られる。ミトコンドリアでエネルギーが作られる時には、
 
  大量の酸素を使う。その酸素のうち、最低2%が活性酸素に変わってしまうと言われている。この活性酸素は、ミトコンドリアがエネルギーを作る時

  だけでなく、添加物や農薬を解毒する時、細菌やウイルスの感染を防ぐための免疫が働く時、紫外線やX線、放射線を浴びた時、ストレスを

  受けた時にも、多く出現する。生活する過程で必然的に発生するこの活性酸素こそが、非常に困った物質である。活性酸素は人間を活性化

  させるのではなく、酸化させてしまうものなのだ。切ったリンゴが変色したり鉄が錆びるのと同じように、体も錆びる。あらゆる物質は、分子の

  集まりであり、ひとつひとつの分子は原子の集まりで、原子を見てみると、原子核の周りをいくつかの電子が回っている。電子は原子核を中心

  とした一定の軌道の中にしか存在しない。そして、ひとつの軌道には2つの電子しか入れない。酸素の原子を見ると、電子の数は8個。酸素の

  原子は変則的で、外側の軌道にひとつずつ入っている。軌道に電子がひとつしかない場合、他の分子同様、もうひとつの電子をどこかから引き

  入れようとする。軌道にひとつでいい電子を強引に他から引っ張ってきて、2つにしようとする。これは活性酸素の仕業で「電子泥棒」と言われる。

  被害にあうのは、体内にある蛋白質や脂質の分子が主だが、時に遺伝子もターゲットになる。電子を1つ奪われると、分子の構造が変わり、本来の

  仕事が出来なくなってしまう。これが老化と病気の原因で、その元凶が活性酸素である。活性酸素の攻撃を受けた細胞は異形となり癌細胞となる。

  細胞はDNAの指示によって、同じものを繰り返しコピーしている。一つの細胞が2つに分裂し、それぞれがまた分裂を繰り返して増殖していく。

  但し、永久に分裂を繰り返しているわけではなく、その回数は50回程度で終わる。その分裂回数を決定しているのが、染色体の端についている

  テロメアと言う物質。細胞が1回分裂するたびに、テロメアは少しずつ切り離され、ゼロになった段階で細胞分裂は終わる。しかし、癌細胞には

  このテロメアを作る酵素を働かせる能力があり、テロメアを増やしていく。テロメアが増えると言うことは、永遠に細胞分裂が続くということだ。

  癌細胞が増殖し続けることになる。これが、活性酸素により癌細胞が生まれ、増殖していくメカニズムである。但し、最初に活性酸素の攻撃を

  受けてから1人前の癌細胞が出来上がるまでには、相当な時間を要する。1度や2度の攻撃を受けたからと言って、1人前の癌細胞が生まれる

  わけではない。初期に活性酸素に細胞が攻撃された段階では、癌抑制遺伝子が働き、DNAが修復され、正常の細胞に戻るのだ。つまり、誰でも

  未成熟な癌細胞が生まれたり、消えたりを繰り返しているわけだ。現在では、医学の進歩によって、癌抑制遺伝子は次々に発見され、癌治療の

  一端を担っている。早期発見といわれる人間ドックや健康診断で癌が発見された時には、すでに癌が生まれてから19〜20年の年月が経っている。

  しかも、発見された時点では、癌の数が10億個を超えているのが一般的である。しきりに「癌は早期発見が大切だ」と言われるが、これほど年月を

  経て、その数が増えた段階で発見されても「早期」と言えるのだろうか。そこが「癌は早期の発見が大切だ」と言う言葉の大きな矛盾である。

  もちろん、癌の発見が1日でも早いほうが、その後の癌細胞の増殖を食い止められる。そうした意味では、早期とはいえない早期発見が意味を

  なすが、何よりも大切なのは「予防」である。癌が発症する前に病気にならない体を作ることが大事なのだ。そのためには、癌の元凶である

  活性酸素を減らすこと。錆びない体を作ることである。良質のタンパクとビタミンを豊富に摂取するに限る。こうしたことに対する医学界の意識は

  非常に低い。活性酸素が癌を生み出す、と言う事実が一般に注目されているにもかかわらず、活性酸素に対する
知識を十分に理解し、医療に

  結び付けている医者は、循環器系の医者くらいではないのだろうか。中には、自分は抗酸化物質を摂取しながら、患者の治療には活性酸素を

  問題視しない医者もいる。とんでもない話。これからの医療で重要なのは「治療」よりも「予防」である。早期八卦であっても病気であることに

  変わりは無い。病気の予防には、遺伝子の仕組みや活性酸素の働きに注目して、良質な蛋白質、ビタミンなどの栄養の摂り方を考える必要が

  あるのではないだろうか。