脳細胞は甦る

  ◎脳の活力は“母親”しだい

アルキメデスに「浮力」を発見させた入浴効果 DNAは超能力を許さない
朝食を抜いて、医師国家試験に落ちた大学生 同じ食事をしても、「燃費」が悪い人がいる
食後1時間が、脳の最高コンディション 高齢出産が不利なのは、ミトコンドリアの問題
頭は良くなったり悪くなったりする 体質の違いはこうして生まれる
頭のよし悪しは母親ゆずり

  ●アルキメデスに「浮力」を発見させた入浴効果

  風呂に入れば体が温まる。無論脳も温まる。血液が温まれば、その粘度も下がる。血管も幾分しなやかになリ、血行も良くなる。風呂の中では、湯に浸かった部分が

  浮力の原理で水圧を受ける。その分だけ血圧が上がる。そうすれば、脳の毛細血管がごくわずかだが太くなり、血行はますます良くなるはずだ。脳の血行が良くなれば、

  酸素や栄養物質の供給が増え、化学反応の速度が大きくなる。つまり、頭の働きが良くなる。

  ●朝食を抜いて、医師国家試験に落ちた大学生。

  自治医大で、朝食を抜く学生と抜かない学生との成績の比較を行った。両者の明瞭な差異が出た。この現象は、脳の温度で説明がつく。その含まれる栄養に関係なく、

  食事をすれば体温が上がる。そのピークは約1時間後に来て、約3時間後に元に戻る。これを「食物の特異動的作用」と言う。結局、朝食を摂って1時間後に試験会場に

  入ればベストコンディションと言うことになる。朝食抜きの人間が不合格だったことに気ずいたことは見事である。食物が口に入れば咀嚼が始まる。そこでは神経伝達

  もあり、筋肉収縮も起こる。そして消化酵素の生産もあり、分泌もある。更に胃の筋肉の活動もあり、さらに数種類の消化酵素の生産もある。これらの物理的・化学的

  変化では、すべてエネルギーが消費されている。一般にエネルギー消費は、必ずエネルギーのロスを伴うと言う大原則がある。例えば電球のフィラメントに電流を流すと、

  その電気エネルギーは、決して全てが光になるわけではない。エネルギーのロスは熱エネルギーの形を取る。だから電球は熱くなるのである。このエネルギーの損失

  は人体でも起きる。それが食物の特異動的作用なのだ。食物の特異動的作用と呼ばれる体温変化は、それに平行する形で脳の温度変化を引き起す。その結果、
 
  知的作業能力も変化するのである。この知的作業能力の向上は、医師の国家試験と言う難関が突破できるかできないかを分ける程大きなものだったのである。

  ●食後1時間が、脳の最高コンディション

  頭の働きを良くすると言う点で、ビタミンCの投与と体温の上昇とは、同格の様に見える。ビタミンCの投与は、それが関わる化学反応を促進するはずである。一方、

  体温の上昇は脳に入る血液を温め、多くの化学反応の速度を上昇させる。生体が、生命維持の為に遺伝子の指令によって起こす化学反応を「代謝」という。代謝は、

  「酵素」と呼ばれる蛋白質の媒介によって、体温の様な低い温度で化学反応を実現する現象である。低い温度と言っても、この酵素反応の進行速度は温度によって

  異なり、それぞれに「至適温度」が存在する。即ち、温度が至適温度になった時、代謝の進行速度は最高になるわけだ。試験となれば、学生の脳はフル回転を強要

  される。脳の温度は酵素の至適温度であることが望ましい。朝食抜きの脳の温度は、それより低いはずである、朝食を摂っているならば、それが試験の1時間前だと

  コンディションは最高と言うことになる。平均的に見ると、脳の重量は体重の1/50に過ぎないのに、血液量は全量の1/6、エネルギー消費量は全身の1/5と驚くほど

  大きい。その出力は、20〜25Wと言われている。これは脳の出力増強である。試験の場で物を言うのは脳の出力である。それに集中力が要求される。その集中とは、

  脳の特定部分を興奮させ、他の全ての部分を抑制することである。興奮でも抑制でもエネルギーが消費される。結局、出力不十分では集中など不可能である。そこで、

  ここでは食物の特異動的作用が効果を発揮することになる。この食物の作用は、食物の内容を問わない。