脳細胞は甦る

  ●高蛋白―丈夫で長持ちする脳の秘密

生まれつきの体質も、栄養によって改善できる 無気力、無関心は蛋白質不足が原因
ビタミンAで花粉症が治った 1日に必要な蛋白質は、体重の1/1000
栄養の主役は蛋白質 半熟の卵が100点満点

  ▲生まれつきの体質も、栄養によって改善できる

  体質と言う概念がある。生まれつき胃が弱いとか(うで)(ぷし)が強いとか、或いは思考活動が苦手とかいう話はよく言われる。確かに、先天的な体質と言うものがある

  ことは否定できない。しかし、先天的なものはどうにもならないのか、それともどうにかなるのか、という問題は極めて重大であり、多くの人の興味を引くテーマである。

  臓器移植が現実のものとなった20世紀後半、体質と言うものが白血球の血液型HLAに結びつけて考えられるようになってきた。しかし、仮に体質上の弱点が先天的な

  ものであっても、栄養条件によってある程度までカバーできるのである。体質上の弱点を栄養物質の量との関係で捉えて、先天的な弱点を後天的な配慮によって救お

  うとするのが栄養学である。その根底には、万人は何処かに先天的弱点を持つ、という大前提が置かれている。たまたまそのような弱点の全てを免れている例外的な

  人が特別な配慮なしに健康と長寿に恵まれるが、そんな人は稀有な存在である。

  ▲ビタミンAで花粉症が治った

  HLAとは「ヒト白血球抗原」と呼ばれるもので、腎臓や肝臓などの臓器移植に際しては、このHLAの一致が必要な条件となる。HLAは、物質としては糖蛋白である。糖と

  蛋白質が結合した形の物質だ。それは単一の物質ではなく、数百種のものがあり、我々の全細胞はそれのセットを持っている。その半数は父親から、半数は母親から

  受け継いだものだ。これを白血球抗原と言うのは白血球という名の細胞を代表しただけのことで、ほかの細胞も白血球と同じHLAのセットを持っているわけである。

  個体の保存という概念がある。我々の生命が、意識しないでも自律的に保存されているという意味だ。個体の保存の為には、自己を守る必要がある。その為には

  非自己を排除しなければならぬ。HLAはこの標識の役割をしているわけだ。これを指紋に例える人もいる。HLAは細かな型に分類されて、それぞれ名前がついている。

  数百のHLAから十数類を選び出して、それで細胞の表面に指紋を作っていると考えたらいいだろう。一卵生双生児は別として、同一のHLAのセットを持つ人は二人と

  いない。親子兄弟ならよく似ているが、まったく同じではない。だから、親の肝臓を移植された子は、一生免疫抑制剤を使用しなければならない。非自己を排除する

  現象が「免疫」というものである。HLAの種類と病気との相関を示すと、左表でるが、病気になり易い相関の強いものも弱いものもある。

HLA 病気名 HLA 病気名
B17 慢性活動性肝炎 DR4 若年性糖尿病
B40 スギ花粉症 DR5 パセドウ病
B51 ペーチェット病 DRW9 膠原病
BW52 潰瘍性大腸炎 DQW3 重症筋無力症、全身性エリテマトーデス、スギ花粉症
DW18 急性糸球体腎炎体 DRW1 長寿

    少し前までは、80才上の人にDRW1のある人が多いと言う報告があったけれど、現在では、その
 
  HLAが無くても、80才を超える人は続出している。スギ花粉症で目が赤くなって涙ポロポロという人

  が、ビタミンAの投与でたちまち治った例がある。ビタミンAは卵に含まれているので、花粉症の人は

  毎日卵を食べることだ。1日1個で症状が改善されない場合は、その人の必要量が多いと言うこと

  であり、食べる個数を増やせばよい。他にもバター、タラ、エイ等の肝臓にビタミンAは多い。

  HLAの示す弱点が、栄養条件次第で改善される場合があることは確かだ。このHLAは大きな病院

  なら3万円程度の費用で調べてくれる。興味のある人は検査してみてはどうだろう。