脳細胞は甦る


  ●ボケ、老化、病気─すべて活性酸素が元凶

よく怒る人は早くボケる ビタミンEは天然品に限る
癌も老化も、すべて活性酸素が原因 こんな食品が活性酸素を除去してくれる
スポーツは老化を早める 古くなった油物、これだけは厳禁
活性酸素を防ぐのも、やはりビタミンC マーガリンとショートニングを避ける

  ▲進化につれて、新しい脳が追加された

  人間は、ものの哀れを感じたり理屈をこねたりする。これは、ひとえに高度の発達した脳の機能の恩恵と言っていい。釣り上げられた魚は暴れるけれど、悲しんでいる

  のでもなく、死を覚悟しているのでもない。そんな高級な脳は、そこにはないのだ。生物進化という概念があるが、動物の場合、それは脳の進化に現れていると言われる。

  そして、その真価が系統的にたどれるのは脊椎動物であるとされる。脳は神経細胞ニューロンの集まりであるが、ニューロンの原型はイソギンチャクの様な腔腸動物に

  見られる。腔腸(こうちょう)動物の様な下等動物の神経系が進化して、我々の持っている高級な脳となったわけである。人間は、

  不幸にして植物人間になることがあるが、それでも心臓や肺が動く。高等な脳は働いていないが、低級な脳は働いて

  いるからである。人の脳に重い障害があれば、腔腸動物の脳にまで逆戻りすると言うことだ。高度な器官はデリケート

  にできているから、はかないのだ。人の脳は、ワニの脳と馬の脳と人の脳と、3つの脳の合体したものだと言う人がいる。

  神経細胞ニューロンは層状に並んでいるので、その集合体を皮質と言う。ワニの脳は、脳幹と「旧皮質」からできている。

  馬の脳では、脳幹と「旧皮質」に「古皮質」が加わっている。そして人間の脳では、これらに「新皮質」が加わっている。

  進化が進むにつれて新しい脳が追加されるわけだ。人類を特徴ずける大脳新皮質に対して、旧皮質と古皮質を合わ

  せて「大脳辺緑系」と呼ぶことになっている。これはヘリにある様に感じを受けるが、新皮質に包み込まれてしまった

  部分である。新皮質は外側になっているので、容積を増やすことができる。人の脳が他の動物の脳より大きいのは

  そのことによる。大脳辺緑系に属する旧皮質には「生命脳」という別名がついている。脳幹とここが働いていれば生命は

  維持されるわけだ、いわゆる植物人間は生命脳で生きていることになる。つまり、動物の脳のうち、脳幹と生命線は

  どれよりも大切である。古皮質の方はどうか。これには情動脳」という別名がついている。これは感情を司る脳だ。

  それを持っているのは高等哺乳類ということになる。犬には情動脳があるから喜怒哀楽があり、精神的ストレスが

  起きてもおかしくない理屈だ。

  飼い主に(うと)まれると元気が無くなったり、毛が抜けたり、時には家出することもあるが、これは、この情動脳の働きである。新皮質は「知性脳」ということなる。

  知性脳は人類特有のものであって、それ以下の動物では、これらの発達を殆ど見ることが出来ない。ところで、どの段階の脳でも、それが情報を保持し、それを伝達

  する器官だと言う点では同じである。文明社会の人間は電話によって情報を交換するが、この時電気エネルギーが要求される。脳も電気を利用して情報を伝達する

  ので、エネルギーのお世話にならざるを得ない。新皮質に比べ、大脳辺緑系は情報伝達に使われるエネルギーの効率が格段に悪い。

  ということは、情報脳や生命脳のほうが知性脳より大量のエネルギーを食うと言うことである。人間に特有の進化した脳は省エネになっているのだ。我々人類は言語を

  持っているので情報を言語化することが出来ると言う子だ。我々は無数の情報を言語化して知性脳に収納して置き、必要に応じてこれを操作し、また取り出す。これは

  人間でなければ出来ない芸当である。

  ●よく怒る人は早くボケる

  脳の機能を、十分に発揮させる為の条件とは何か。それが知性脳の活動を意味するのであれば、エネルギーを大量に食う情動脳の活動を野放しにしないことである。

  エネルギーの消費量は酸素の消費量に通じるものだし、酸素が消費される時には、その最低2%は「活性酸素」となる。この活性酸素は生命を傷つける「殺し屋」なのだ。

  病気も老化も元を(ただ)せば、この「殺し屋」が関係してくる。脳内の活動に関して言っても、この恐ろしい活性酸素という危険因子の有力な発生源となっているのが、

  実は情動脳なのである。そのことを考えると、情動脳を働かせることは自傷行為に他ならないことに気ずくのである。むやみに怒鳴り散らす老人の脳は、活性酸素に

  よって早くボケるのではあるまいか。情動と言えば喜怒哀楽を内容とするだろうが、このうちの喜と楽には免疫機能を増強させるホルモンの分泌があるというメリットが

  ついているからこれはむしろ歓迎すべき感情で、問題は「怒」と「哀」である。身の回りにいつも怒ったり悲観する人がいたら、「長生きしたければ笑いなさい」と言って

  あげましょう。近年、「頭を使い過ぎるとボケる」という怖い説が唱えられたりしているが、活性酸素の発生源としては、情動脳のほうが格段に強いわけであり、学者や

  研究者の様に知性脳を酷使したとしても、情動脳程の多量の活性酸素は発生しない。分子栄養学では知性脳の使い過ぎとボケの因果関係は認められないのである。

  トいうより、怒ったり悲しんだり、苦労症の人ほどボケやすい─これが分子栄養学の結論だと言える。