脳細胞は甦る

  ▲ストレスで、ビタミンCの必要量は10倍に

  ビタミンCで頭が良くなると言う話は、耳寄りで、試してみたくなるだろう。自分の子供に対しても、自分自身に対してもである。そこで、ビタミンCの量が問題で、生の

  野菜や果物をたっぷり食べることにしようと思う人もいることだろう。ここで、ビタミンCの常識について披露すると、サルより進化のレベルの低い動物は自前で、つまり

  自分の体内で、ビタミンCを作っていると言うことだ。モルモットやコウモリという例外はあるが、人の子も生後10カ月あたりまでは自分でビタミンCを作っている。サルが

  森を離れないのはなぜか。森の外ではビタミンCにありつけないからだ。人間は八百屋があるので街に住める。では、野菜や果物を摂っていればビタミンCの不足が

  起こらないかと言えばNoである。その根拠は動物実験で分かる。ネズミは自前でビタミンCを作る。原料はブドウ糖だ。ネズミが1日に作るビタミンCの量は、体重60kgの

  人間に換算して約2gになる。水車をせっせと回させると、17gにまで跳ね上がる。激しい運動で生じるストレスからくる悪影響を解消する為に、ネズミの体はより多くの

  ビタミンCを求めるのだ。人間もネズミも哺乳類だから、大まかな体の構造や機能も殆ど共通だ。そこでこの実験から考えると、我々は毎日2gのビタミンCを摂ったらいい

  と言うことになる。但し、ストレスがあれば、必要量は10倍近くになる。ストレスがあると、ビタミンCの消費量は極端に増えるのだ。このように、生体側の要求に応じて、

  代謝が起こる現象を「フィードバック」という。これは電気冷蔵庫のサーモスタットの様なもので、内部の温度が1定のレベルより上になるとオンになるような現象のことで

  ある。ネズミの様な進化の段階の低い生物では、必要に応じて体内でビタミンCが作られるが、人間は自分で作れないので、ストレスを感じたらその状況に応じて、

  摂取量を増やしてやる必要がある。これに対して、日本の厚労省は、ビタミンのCの所要量は、成人で1日50mgと言っている。この量は、壊血病を防ぐのに必要な量の

  10倍なのだそうだ。2005年の食事摂取基準の改定後、12歳以上の全年齢で100mgが推奨量となっている。ところで、2gのビタミンCを摂る為には、皮をむいたレモンを

  4kg食べる必要がある。個数にすると40個/日となる。これが無理なら合成品でいくしかない。ビタミンCは天然品でも合成品でも全く同じ物質である。ビタミンCは

  アスコルビン酸という名の酸だから、酸っぱい。しかし、植物の中にある時は中和されているので酸っぱくない。ジャガイモやサツマイモはビタミンCを多く含んでいるが、

  酸っぱくない。一方、レモンやミカンが酸っぱいのは、クエン酸によるものである。

  ▲個人差が激しいビタミンの必要量

  昔は、ビタミンの供給源として普通の食事を偏食せずに摂っていれば不足はないとされていた。一方、分子栄養学では、普通の食事ではビタミン類の栄養条件を

  満たすのは無理だという立場である。農薬を使ったりハウス栽培だと、ビタミンの含有量が減るので、現代生活では昔よりビタミンを多く摂る必要があるとされているが

  分子栄養学ではNoである。ビタミンは微量で足りるものと、足りないものがあり、その必要量は個人差があり、またストレスのような外部の状況によっても変化する。

  ビタミン必要量の個体差を、ビタミンCやB群の様な水溶性のものでは1対100、ビタミンAやEのような脂溶性のもので1対10と考える。自分が1なのか100なのか10なの

  かは、調べられない。唯、ごく1部の例外を除いては、ビタミンはいくら摂っても問題はないから、自分の必要量を100と仮定するのが妥当な判断である。

  ▲ビタミンCで白内障が治った
  
  2,3年で失明すると言われた白内障で、眼球はビタミンCを高濃度に含む器管なので、体質的にビタミンCの要求量が大きいと考え、ビタミンC不足が原因と仮説を経て

  ビタミンCのアンプルと、他にビタミンB1やB2も摂り、即ちメガビタミン主義となり、その後30年経ったが、今も目は十分働いれいる。

  ▲ビタミンCは、何故大量に必要なのか。

  世界的に知られるポーリングの「分子矯正栄養学」は経験から導き出されたもので、一方、日本でのみ知られる分子栄養学は理論的なので、ビタミンCを大量に摂る

  必要性の答えは違ってくる。前者は風邪の予防、ぎっくり腰の予防、壊血病の予防などにビタミンCは働くとするのに対して、分子栄養学ではビタミンCの生体内での

  役割は、コレステロールの血中濃度を下げる、脂肪酸をエネルギー工場へ運び込む、ステロイドホルモンを作る、インターフェロンを作る等となっており、IQの件は脳の

  働きの変化は調べにくいから、現在定説とはなっていない。これらの働きには個体差があり、その差の幅は大きい。

  ▲代謝の鈍い人を救う法

  では、その個体差はどこから来るのだろうか。それは酵素とビタミンの親和力の違いからくる。酵素とは体の中で起きる化学反応、つまり代謝を助ける物質のことで、

  この酵素は蛋白質だが、DNAが解読されてまず作られる蛋白質を酵素蛋白質、あるいは主酵素と呼ぶ。これにビタミンやミネラルなどの共同因子が結合して、初めて

  酵素は活性化する。分子栄養学では、この結合の確率を「確率的親和力」と命名し、ミネラルは確率に個体差が無いので、問題になるのはビタミンにおいてである。

  生体において、ビタミンの分子は全くランダムな運動をしている。それが主酵素の受容体にぶつかった時、1発で結合するケースと、100回衝突して1回うまくいくケース

  とがある。前者は確率的親和力を100、後者をそれを1とする。後者の場合、協同因子の濃度を100倍にすれば、前者と結合の条件は同じになる。だから、分子栄養学

  は大量ビタミン、即ちメガビタミン主義になる。知的障害が、神経伝達物質を作る酵素とビタミンとの親和力が極端に低いことから来ている場合がある。ビタミンが何ら

  かの酵素の活性を高め、代謝を良くすると言うことは、頭の回転を速くすると言うことである。ビタミンCの投与でIQの改善を見る人は知的障害を持つ人以外にも、もっと、
 
  いていいはずである。こういう考え方だから、分子栄養学を「個体差の栄養学」と言えばその本質が分かりやすい。ついでに、ストレスなどの状況によって、ビタミンの

  消費量が変わるので、「状況の栄養学」とも呼べる。