脳力を高める栄養学 どうすれば記憶力は高まるか
脳の活力は”母親”しだい 脳細胞こそ、最も長寿な存在

    

  ◎脳力を高める栄養学

 頭の良し悪しも栄養次第 ボケ、老化、病気―全て活性酸素が元凶  高蛋白―丈夫で長持ちする脳の秘密

  ●頭の良し悪しも栄養次第

ポーリング博士が証明した”頭の良くなる法” 良い頭も悪い頭も後天的に作られる
300倍のビタミン投与で、IQが65も上昇 脳にとって、学習よりも栄養が重要な理由
頭を良くする栄養は、体も健康にする ストレスで、ビタミンCの必要量は10倍に
大切なのは蛋白質、ビタミン、ミネラル ビタミンCで白内障が治った
分子栄養学に基ずいた知恵が、長寿を約束する 代謝の鈍い人を救う法
知能をはかる物差しはあるか カルシウム不足は、心臓病も引き起こす

  ▲ポーリング博士が証明した”頭の良くなる法”

  ビタミンCを摂ったら頭が良くなるよ、と理系の人が言ったら、あなたはどう反応するだろうか。理系の教養のある人なら、この言葉を信じるはずだ。科学はいい加減な

  事を言わないものと決まっているからだ。文系の教養のある人ならば、その話の出所は何処かと尋ね返すだろう。それが哲学や自然科学の認識論の定石だからである。

  そこで「これが実験の結果であって、ポーリングの「さらば風邪薬!」という本にちゃんと書いてあった」と答えることになる。彼は歴史に残る科学者で、科学者の面目

  にかけて怪しげなことを言うはずが無い。文系の教養のある人ならば、更に、それは全ての人に該当するか、と尋ねるだろう。それも認識論の定石だからだ。実は、

  ポーリングの本にそのことも書いてある。実験は、アメリカの小学校で、ビタミンCをとくに摂っていない成績の悪い子を対象にして行われたのだ。ビタミンC不足の為に、

  成績の上がらない子がいる、という話である。

  ▲300倍のビタミン投与で、IQが65も上昇

  これもアメリカの大学の話で、ビタミン大量投与で知的障害児の治療でIQ(知能テスト)70以下の発達の遅れのある子供を対象に、ビタミンCの大量投与を試みて、

  そのうちの30%を90程度まで引き上げた。IQ90以上は普通児ということになる。知的障害のある人とない人との間に判然たる区別があるわけではなく、両者は連続

  している。これが分子栄養学の考え方なのだ。教授は言葉の不自由な男の子を診察して、IQを25〜30と判定し、そこで大量のビタミンを与えたが、数週間経っても

  改善の兆しが見えない。思い切って標準値の300倍まで投与量を上げてみた。ビタミンCは1500mg、ビタミンB1は300mgという具合だ。そうしたら、数日後にその子は

  口をきき始め、1カ月も経たないうちに読み書きが出来るようになり、9才の時に小学校に入学した。IQは90になり算数における進歩が目立ったと言う話である。

  ▲頭を良くする栄養は、体も健康にする

  1960年代に、化学調味料「味の素」で頭が良くなるという説が話題になったことがある。「味の素」の主成分であるグルタミン酸という物質が、脳内に多く存在すると

  言う情報が発表されたのがその理由である。子供の成績が良くなる為の妙薬が手近にあると言うことで、これに飛びつく母親が全国に出現した。しかし、1年後にこの

  ブームは消えた。脳で働くグルタミン酸は、体内で作られた物だけが有効で、外部からの物は脳まで届かないことが突き止まられたからである。1990年代から、マグロ

  の目玉に多く含まれる「DHA」という脂肪酸が、やはり脳に特有な物質であると言うことで注目されている。だが、このDHAが脳の中でどんな働きをしているのかは、

  まだはっきりと解明されていない。それどころか、DHAは、実は「活性酸素」の発生源にもなるのである。生物の体は、ある特定の物質の集合体である。その物質の

  分子の大部分は遺伝子DNAによって作られるが、1部分はそのままの形で外部から摂り入れられる。これは脳も体も同じであって、脳細胞にだけ働く特別な物質など

  存在しないのである。脳を神秘のベールに包まれた特別なものと考えることは、脳の機能を高めるチャンスを自ら放棄するのと同じことだ。体の様々な器官の1部として

  脳を捉えれば、その必要としている栄養が、他の部分と変わらないことに、誰もが直ちに気付くことだろう。頭を良くすることを考えるのであれば、まず自分の体を健康に

  することを考えねばならない。逆に言えば、栄養不良は体だけでなく脳にも大きなダメージを与えると言うことだ。ビタミンとIQの関係について述べたが、ビタミンの摂取

  量が不足している子供は、脳の機能以前に身長も低く、風邪をひきやすく、アレルギー症状を起こしやすいと言うことになる。相手の精神をコントロールするマインド

  コントロールをする場合、まずその食事を極端に制限する。かくの如く、栄養不足の状態にすれば脳も“正常な判断力”を失うのである。脳も体の他の部分と同じなのだ。