もっともらしい健康常識

  

  飽食、悪食、無駄食いで、肥満、糖尿、血管障害、行き着く先は脳梗塞、心筋梗塞と言う図式は今や常識である。残念なことに、原因は毎日の食事にある。問題は食べ方に

  ありか、食べもにありか、いずれにしても食欲が支配しているのは間違いない。今日にあっては、食が病気を作っているのだ。病気になりにくい体ずくりも、食が全てを担っている。

  生まれた赤ちゃんが、約20年かけて1人前の成人になるまで、20倍も細胞の数を増やさねばならない。この成長途上の大事な時期を左右するのも食である。従って、朝食を抜き、

  学校給食を残し、スナック菓子を買いあさる子供たちを見過ごすなどもってのほかなのだ。この悪しき習慣が大人になっても続き、高じて糖尿病と言う自覚症状のはっきりしない

  病に侵されるのである。この病気は食が作った傑作で、痛くも痒くもないため、気が付いたら時には重篤(じゅうとく)になっているのだ。所が、このような状況の日本が、久しく

  世界の長寿レースのトップに君臨しているだ。昭和23年以前は平均寿命は50歳未満だった国がである。大躍進である。なのに、日本人の健康や長寿に対する意識はますなす

  高まるばかりで、食や健康に関連するビジネスも活況を呈し続けている。その一方で、利益追求、コストダウンと言った号令の下、賞味期限の偽装など、食の安全や健康志向が

  、それこそ食い物にされている現状も露呈している。更には、世界的な経済発展競争は、空気ばかりか水までを汚し、土壌中の有用微生物層も農薬や化学肥料に脅かされ、

  栄養豊富な野菜が期待できない世のなかになってきているのだ。人間の体は自然の産物。体ずくりには、本来、自然の恩恵をたっぷり浴びた自然食品が最も適している。

  日持ちするもの、見た目の美しさや食感を化学物質で誤魔化している食べ物は体にとって有害と思ってほぼ間違いないのだ。食の安全性や様々な健康論が最もらしく喧伝される

  現代にあって、健康ずくりには正しい食養学が必須だ。食物が作った病気は食物で治すのが当然で、薬で治すものではない、と知るべし。この考え方は、何も今の飽食時代に

  始まったものではない。江戸時代の貝原益軒のベストセラー健康書「養生訓」が、まさにそれである。しかし、その内容を現代の科学の目で検証すれば、1部に全く出鱈目な

  部分もある。現在でも信じられている食い合わせ論なども現代に全く通用しないものである。すでに少子高齢化の時代に突入した今日、自分の体は自分で守らなければならない。

  そこで、食や健康についての情報が氾濫している現代にあって、「どうしたら自己管理ができ、病にになりにくい体作りが出来るか」と言う命題に少しでも関心を寄せられますように。 

健康寿命の方程式 昔の常識、今非常識 今時の健康話こそ、ご用心!

   

  ◎健康寿命の方程式

日本人の寿命はなぜ世界のトップになったのか モーレツ型は老化も早い
日本人の長生きの秘訣とは 「健康長寿食」とは何ものだ?
日本女性の寿命はまだまだ延びる? メタボリックシンドロームと寿命の関係は薄い?
女性は何故男性より長生きなのか 脳と体に効く食と食べ方
老化の指標は様々。そのメカニズムを探ると・・・ 貴方の残りの「活動的平均寿命」を知る方法

  ●日本人の寿命はなぜ世界のトップになったのか 

  健康で長生き―。これは誰れしも望むところだろう。日本人の100歳以上の高齢者は3.2万人(2007年)。その内訳は、女性が86%を占めている。

  WHOが発表した世界192カ国の平均寿命の世界一は日本の82才(2005年)。わが国は世界長寿の記録を1971年から40年連続で更新し、トップの座を維持している。

  男女別では、日本とモナコの女性が85才でトップ。男性では日本、スイス、スウェーデンが78才で最長寿である。どうして、日本人はこれまで世界の長寿レースで

  トップに君臨できたのか?日本人の平均寿命が50才になったのは昭和23年のことであり、その昔は低かった。縄文時代の14.6才、室町時代の15.2才、

    江戸中期の20.3才。このような数値は乳幼児の死亡率が高かったことを反映している。貝原益軒は85才まで生きている。つまり老衰で死ぬということではない。

  日本人の寿命が著しく延びはじめたのは昭和20年代で、わずか50年の間に男女とも、2倍近くまで寿命が延びたことになる。その原因として、医療の高度化、

  国民健康保険制度、公衆衛生の向上が目立つが、昭和40年以後の大きな変化として、食生活の向上が挙げられる。それまで日本人の食生活は

  一汁一菜に近い粗食とおふくろの味だけだった。それが、高度経済成長のおかげで国民所得が上昇し、肉を中心とした豊かに栄養を摂ることができる食事メニュー

  に変わってきたのである。平均寿命はその国の1人当たりのGNPと相関関係にある。動物性、植物性蛋白をバランスよく摂れるようになったので、この頃が

  「長寿国日本」がスタートした元年だった。


          各国平均寿命とGNP                          日本人の平均寿命の推移