ウソだらけの医学常識

  ▲脂肪肝は酒を止めなくても治る

  成人病と言えば、アルコールとの関係を気にしている人も多いことだろう。「健康の為に」と思って好きなお酒を無理に止めると、却ってストレスが増大してしまう。

  お酒の飲み過ぎは、脂肪肝や肝炎など肝臓の病気と深く関わっている。脂肪肝とは、肝臓の細胞に必要以上の脂肪が蓄積された状態のことで、これを放っておくと

  アルコール性肝炎を招くことがあり、更に肝硬変を惹き起す。従って、深刻な病気を避けるには、脂肪肝の段階で手を打っておくべきだろう。肝臓は、ビタミンや

  グリコーゲンなど、色々な物質を溜める働きをする臓器である。しかし、本来、脂肪は溜めないようにできている。作られた脂肪は、コレステロールを含むリポ蛋白と

  共に運び出される仕組みになっている。脂肪肝になるのは、その仕組みがうまく働かなくなる為である。リポ蛋白を運び出す能力は、あらかじめ遺伝的に決まっている。

  脂肪の量がその能力に見合ったものなら、肝臓に脂肪が残ることはない。しかし何かのきっかけで、脂肪を合成する働きが、運び出す能力を上回ってしまうことがある。

  そこで余った脂肪が、肝臓に溜まり始めるわけだ。特にアルコールを代謝する時に、そういう状態になりやすい。だから医者は、脂肪肝の患者に対して、「お酒を止め

  なさい」と言うのである。確かにアルコールを絶てば、2週間程で肝臓は元の状態に戻る。しかし、脂肪肝を解決する方法は断酒だけではない。好きなお酒を止めなく

  ても必要な栄養を十分に摂っていれば、肝臓を正常に機能させることができるのである。その酒飲みにとって有難い栄養とは、ビタミンB群に属するコリンとイノシトール

  という2つの抗脂肪肝因子で、これはレシチンにも含まれている物質である。また、アルコールを代謝する時にニコチン酸と言うビタミンが消費される。従って、脂肪肝

  が気になる酒飲みは、なるべくビタミンB群やレシチンを多く含んだ豚肉、豆類、チーズなどのツマミを食べながらお酒を飲むようにすればいい。お酒を(たしな)む医者の

  中には、自分のことを棚に上げて「アルコールを控えなさい」とは患者に言いにくいのか、「何か食べながら飲まなきゃ駄目ですよ」という言い方をする人もあるようだ。

  しかし、具体的に何を食べればいいか指示してくれる医者は殆どいない。栄養のことを理解していないから、効果的な指示が与えられないのである。

  ▲胃潰瘍・12指腸潰瘍は、まずピロリ菌を疑え

  現代人の生活と切り離せないストレスも、様々な病気の原因としてクローズアップされることが多い。ストレスが原因だと言われている病気の代表は、胃潰瘍や

  12指腸潰瘍である。これらの潰瘍は、本来は食べ物を消化する為に分泌される胃酸が、自分の胃や12指腸の粘膜を溶かしてしまうことによって起きるものである。

  健康な状態の時は、様々な防御因子が、胃酸の強い消化作用から粘膜を保護してくれている。その防御因子が何らかの原因で弱くなった時に、潰瘍が起きるのである。

  これまで、その防御因子を弱体化させる原因とされてきたのは、ストレスである。医者でなくとも、「潰瘍」と言えば「ストレス」が常識となっている。ストレスを受けた時の

  反応には、自律神経に対して交感神経が亢進するタイプと、副交感神経が亢進するタイプとがある。潰瘍になりやすいのは後者の方で、前者は血管が縮まる為、血圧が

  上がり、後者は胃酸の分泌が増えたりして消化管にダメージを与えるわけである。従って、ストレスが潰瘍の原因になることは理論的にも間違っていない。しかし、最近

  になって、それとは別の原因で、特に潰瘍が何度も再発する患者の場合は、ピロリ菌と言う細菌の存在が疑われるのである。胃潰瘍患者のおよそ8割、12指腸患者の

  9割がピロリ菌に感染しているとも言われている。このピロリ菌は20年以上前にオーストラリアの研究者により発表されたが、世界的に見ても胃潰瘍患者の多い日本の

  医者は、この説を一笑に付してしまう。胃の内部は極めて強い酸性だから、細菌は生きられるはずがないという考えが主流だったからである。ところがピロリ菌は、

  アンモニアを出すことによって酸を中和しながら生きていることが分かった。しかも粘膜と粘膜組織の隙間に身を潜めているから、抗体を作って抑えようと思っても旨く

  いかない。実に巧妙なやり方で生き延びている。この厄介者が起災物質を出す為、ピロリ菌に棲みつかれた部分は慢性的に炎症を起こす。だから、胃液の分泌を

  抑える物質によって一時的に潰瘍が治ったように見えても、しばらくすると再発してしまうのである。ピロリ菌退治の薬として、抗生物質と胃酸を中和する薬の組み合わせ

  で効果てきめん。但し、抗生物質でピロリ菌を退治できるからと言って、それだけで安心してはいけない。これはストレス性の場合も同じだが、潰瘍のできた部分と

  言うのは活性酸素の攻撃によって組織を破壊されている。それを元通り再生させる為には、十分に蛋白質を摂取しなければならない。潰瘍が治ったとしても、それで

  胃や12指腸が以前と同じように働くわけではないのである。ピロリ菌の検査や除菌治療は健康保険の対象外である。厚労省が“ピロリ菌真犯人説”を認めていない

  からである。保険適用にすれば胃潰瘍患者は減り、結果的に医療費削減につながるというのに―。厚労省が裏で医薬品メーカーと合作しているのではという噂も・・・。