ウソだらけの医学常識

    ▲適正体重の患者に減量を指示する愚かさ

  脳血栓による多発性脳梗塞で入院していた患者が、退院後、人間ドックに入ったところ、高脂血症との診断を受け、血圧や血糖値も高かったらしい。

  高脂血症とは、血中のコレステロールや中性脂肪が標準値を上まわっている時の診断名である。この状態が続くと動脈硬化が進み、脳卒中、狭心症、

  心筋梗塞などの危険性が高くなる。というのが医療現場の常識となっている。その為、医者から食事制限をして体重を減らすように言われる。

  しかし、標準体重を下回るような体重で減量を指示されても納得できない。肥満が原因でそれぞれの症状を起こしているわけではない。

  体重が多ければ多いほどその体を維持する為に血管の太さは変わらないのに、血液量が増えるから血圧は上がる。脂肪を溜めやすい体質なら、

  血中中性脂肪値も高くなる。だから減量が効果的になるわけだが、それはあくまでも明らかな肥満状態にある患者の場合だけである。

  患者の体重とは無関係に減量を指示するような医者には、物事を自分で判断する能力が欠けていると言わざるを得ない。彼らは単に、頭の中に

  インプットされた画一的なマニュアルに従って指示を出しているだけなのである。それに、仮に患者が肥満状態で減量が必要だとしても、その為に、

  食事制限を指示するのは極めて安易な方法だといえる。肥満の多くは、食べ過ぎによる者は30%に過ぎず、残りの70%は他に原因があるからである。

  ▲伝の要素を忘れては、健康は守れない

  食べ過ぎ以外で肥満の原因として考えられるものの1つに、遺伝子がある。分子生物学の進歩によって、最近は様々な病気にその原因となる

  遺伝子があることが分って来た。食べる量は少ないのに太ってしまう場合も、その人が肥満遺伝子(体脂肪量の調整役をするレプチンと呼ばれる

  蛋白質)を持っている可能性が高い。今は肥満遺伝子として数種類の候補が挙げられている段階で、まだ全てが確定されてはいないが、例えば、

  アメリカに遺伝的に必ず肥満遺伝子を持っているインディアンの種族は中年になると全員が太りはじめ、大半が糖尿病になる。日本人も3人に1人

  位の割合で、そういう遺伝子を持っているようだ。この遺伝子を持っているとカロリーの消費量が少なくなり、その為、食べる量は少なくても太ってしまう。

  逆に、人並み以上に沢山食べるのに少しも太らない人もいる。その場合は、普通以上にカロリーを消費する遺伝子を持っていると考えてよい。

   近年、日本の医学界は遺伝ということに、神経質な時期があった。「血友病は遺伝病である・・・」という文章にクレームがつき医学界は遺伝という

  要素を意識的に欠落させてきた感がある。だが、分子生物学の発展によって、この遺伝という要素が発病するか否かに関して決定的な役割を果たしてる

  ことが、ますます明確になってきている。遺伝に基ずく「個体差」ということを考慮に入れなくては、自らの肉体の健康を自分で管理していくことなど、

  根本的に出来ないわけである。肉体は基本的人権といった観念とは違い、決して平等に作られていないからでる。

  ▲太りの方が長生きする

  体が脂肪を燃やしてカロリーを消費させるのは、アドレナリンというホルモンの命令によるものである。肥満遺伝子を持っている人は脂肪細胞にある

  アドレナリンのレセプター(受容体)に異常があるため、いくらアドレナリンが「脂肪を燃やす」と指示を出しても反応しない。その為、作った脂肪を

  使わずに溜め込んでしまう。ところが脂肪細胞は、自分自身の2.5倍までしか脂肪を溜め込むことが出来ない。それを超えると細胞の数を増やして

  対応するため、結果的に太ってしまうのである。こうした肥満遺伝子によって太りやすくなっている場合は、摂取カロリーを減らしても減量は出来ない。

  同じ体重の肥満患者に食事制限によるダイエットを指示したところ、肥満遺伝子を持っていない患者は正常な体重に戻ったが、肥満遺伝子を持った

  人は体重が殆ど減らなかった。カロリーが消費されにくい体質だから、食事を減らしてもこれまでに蓄積した脂肪は減らず、体重も落ちないのである。

  従って、この場合は摂取カロリーを制限するよりも、蓄積した脂肪を燃やすことを考えねば減量はうまくいかないので、1日200kcalの運動をさせたら

  正常な遺伝子を持っている人と同じように体重が落ちた。但し、減量には運動が効果的だとはいえ、これは誰にでも薦められるものではない。

  激しい運動は活性酸素を大量に発生させるため、健康にダメージを与える面があるからです。明らかな肥満の人はともかく、体重の面で問題のない

  人がやたらとダイエットしたがるのは感心しない。「痩せている人の方が健康にいい」と信じている人が多いようだが、これはとんだ勘違いです。

  痩せている人より小太りの人の方が死亡率が低いというデータもある。「痩せている方が健康にいい」が正しいなら、BMI指数が22以下の人の方が

  死亡率が低いはずである。ところが、体格と死亡率の関係する調査によると、40代以上で最も死亡率が低かったのは、男性で24.45、女性で22.8

  だった。少し小太りの方が、健康にいいということである。