ウソだらけの医学常識

  ▲「食塩を摂り過ぎると高血圧になる」は嘘  

  ある県の知事が、高血圧が原因で亡くなった。すると、その県全体に「食塩の摂取量を減らしましょう」と言う勧告が出されたことがあった。いったい、

  知事個人の病気と県民の食生活にどれだけの因果関係があるというのだろうか。いくら地方行政のトップだからと言って、その地方に暮らす人間の体質まで

  代表しているわけがない。この勧告は明らかに過剰反応であり、大抵の人は 馬鹿げた事だと思うだろう。しかし、本当に貴方はこの話を笑えるだろうか。

  もし、知事の死はともかくとして、この県が現実に高血圧患者の多い地域だとしたら、どうだろう。多くの人は、この勧告が当を得た正しいものだと思うに違いない。

  「高血圧になったら塩分を控えないといけない」という「医学常識」が頭にインプットされているからである。だが、この話が1番おかしいのは、行政は過剰反応を

  した点ではない。「食塩を減らせ」という勧告の内容そのものがとんだお笑い草なのである。基本的に、高血圧と食塩摂取量との間には殆ど因果関係がない。

  ところが実際には、高血圧の患者に対して、大抵の医者が「塩分を減らしてください」と指示している。そういう医者には、この県が出した歓告を笑い飛ばす資格

  はないのである。確かに、食塩の過剰摂取が原因で高血圧になる人はいる。但し、それが原因になっているケースは、高血圧患者100人のうち1人か2人という

  割合なのである。明らかに少数派なのである。食塩に含まれるナトリウムは、体内に水分を保持させる働きをしている。その濃度が高くなると体液が増え、

  その結果、血管を通る血液の量も増えて血圧が高くなるのは事実である。しかし高血圧の原因は決してそれだけではない。にもかかわらず、画一的な

  マニュアルに沿った治療しかしようとしない医者は、全ての高血圧患者に減塩を指示する。しかし、そのマニュアルが有効な患者は全体の1〜2%に過ぎない。 

  残りの98〜99%には効果がないどころか、逆に必要な塩分が不足して健康を損ねてしまう恐れまである。こんな愚かなマニュアルが「常識」として、日本の

  医師全般に通用しているから、医者を信用出来ないのである。それにしても、これほど間違いが明白な治療法が、何故「医学常識」になってしまったのか、

  誰でも疑問に思うであろう。その疑問を解くために、「疫学」と言う学問の限界について述べる必要がある。

    高血圧に関する「食塩原因説」は、疫学によって導き出されたものである。病気の原因解明の手続きとして、まず疫学によっておおよそのあたりをつける

  と言う方法がある。疫学は地域や職域などを限定して年齢、学歴、食生活、生活習慣、職業などの違いによって、病気の発生率にどういう分布の違いが

  あるか調べる。統計から病気の原因を考えるわけで、ある意味では消費者を分類して販売戦略を立てるマーケッテイングに似た手法といえるかもしれない。

  しかし、この手法には大きな落とし穴がある。ある病気が特定のグループに多く見られるからといって、そこに確実に因果関係があるとは限らない。例えば、

  1981年アンリカ政府は、疫学の統計を根拠にして「エイズはホモセクシャルの病気である」と発表した。エイズの分布が、ホモセクシャルの人々に偏っていた為だ。

  しかし今では、エイズが誰でも感染しうる伝染病であり、ホモセクシャルだけに特有の病気でないことを誰でも知っている。これが疫学が持っている限界です。

  統計的なデータというのは、見方によって引き出される結論が違ってくる。しかも、研究者は統計から何か結論を引き出すという思いが強い為、自分の仮説を

  支えてくれる都合の良いデータだけを採用し、都合の悪いものを無視する事が珍しくない。従って、疫学調査だけで病気の原因を確定することは出来ないのです。

  科学的な実験による裏付けがないと、仮説はどこまでいっても仮説でしかない。