物忘れを90%防ぐ法

  ●「記憶力が悪い」からではなく「優先順位が低い」から忘れる!

  世の中の情報には、「絶対に必要なもの」と「必要でないもの,どちらでもいいもの」の2つがあります。人間の脳は、膨大な記憶の容量を持っているが、

  次から次へと入ってくる情報をすべて記憶していたのでは、すぐに満杯になってパンクしています。そこで、脳の記憶メカニズムには、「絶対必要なもの」を

  優先して保存し、「必要でないもの、どちらでもいいもの」は、記憶として保存しないという特徴があります。

  取引先の電話番号は覚えられないのに、何人もいるガールフレンドの電話番号はすべて覚えている。ゴルフコンペでホールインワンを取った日は

  覚えているのに、結婚記念日を毎年忘れてしまう人・・・人間の脳は、その人の趣味や興味の対象によって、記憶に優先順位を付けているのです。

  つまり、本人は自覚していなくても、前者は「取引先」より「ガールフレンド」が大事で、後者は「妻・家庭」より「ゴルフ」の方が優先順位が高いのです。

  ニュートンは研究に没頭するあまり、夕食をしばしば忘れた、アダムスミスは、着替えることを忘れて、寝間着のまま教会に現われたといいます。彼らは

  食事や着替えはそれほど重要なことではなかったのでしょう。さらに言えば、食事や着替えに神経を使わなかった分、記憶の容量を自分の研究の為に

  使っていたのかもしれず、だからこそ、偉業を成し遂げたとも考えられます。また、学校で歴史の年号は覚えられなかったが、英単語は面白いように

  記憶できたと言う人もいるでしょう。数字を覚えるのは苦手だが、カラオケの歌詞や、お気に入りの本の一説、詩や文章を覚えるのは得意と言う人もいます。

  物覚えが悪いという人は、記憶力が生かされていないだけかもしれません。得意分野の記憶を仕事に生かせれば、あなたの人生はより充実したものに

  なるでしょう。そうでなくても、趣味や人間関係を広げることに利用すれば、少なくとも人生は今より豊かになるはずです。

  ●「忘れてもいいこと」「大事なこと」は記憶できない?

  大事なことをど忘れしたり、覚えているはずの言葉が思い出せない時、一瞬ひやりとするものですが、ありがたいもの忘れもあります。ある女性は、

  3年間付き合って、結婚まで約束していた恋人と別れました。彼の方から、「好きな女性ができたから」と、一方的に別れを告げられたのです。彼女は

  ショックのあまり、食べ物が喉を通らなくなり、体調を崩してしまいました。会社も休みがちになり、「死ぬほど悩んだ」と言います。唯、そんな彼女を

  「時間が解決してくれるさ」と、慰めてくれる男性が現れました。次第に彼女も彼に好意を抱くようになり、今では恋人同士です。そして、「前の彼のことは

  ふっ切れたの?」と尋ねると、彼女は「もう忘れたわ」と笑えるようになりました。このように、悲しみのどん底に突き落とされ、「一生この悲しみから

  抜けられないのか・・・」などと思い詰める人がいるが、数ヵ月もすれば、ケロッとしていることは珍しくありません。彼女の例でいえば、以前の恋人に

  対する感情や、失恋の悲しみと言う記憶が、時間と共に薄らいでいったということです。そして、新しい恋人の記憶が上書きされることによって、以前の

  恋人の記憶は消えていきます。これは、恋愛に関する記憶だけではありません。仕事でミスをした記憶、人前で転んで恥ずかしい思いをした記憶など、

  できればすぐにでも忘れてしまいたい記憶は、時間と共に、他の記憶に書きかえられたり、封印、あるいは葬られるようになっているのです。

  「永遠の記憶」は、時に生きることを辛くさせます。忘れることは、人間がしなやかに生きていく為の防衛術でもあるのです。

  ●「レシピを暗記する人」は何故、料理が上手にならない?

  科学者など、いわゆる頭のいい人は、「きっとすごい記憶力を持っているのだろう」と思う人も多いようです。確かに彼らはたくさんの公式を覚えている

  だけでなく、大量の知識を蓄えています。しかし、「暗記力」が優れていても、真の「記憶力」が発揮されるとは限りません。「暗記力が優れた人=頭がいい人」

  という思い込みは、丸暗記や詰め込み学習が効果を発揮する、今の受験体制から来ているようです。しかし、「小論文を書く」とか、「新しい企画を考える」と

  いった、発想力や創造力がものをいう場合は、暗記力だけでは結果は出ません。ベンチャー企業で成功している人たちは、発想力や創造力にたけた

  柔軟な脳の持ち主と言えます。山手線の駅名を順番にすべて言える小学生や、交通標識を全部覚えている4歳児等、(たぐい)まれな記憶力を持つ

  子供がTVでもてはやされるが、暗記力は素晴らしいかもしれないが、暗記した記憶を応用して何かを生み出す能力があるでしょうか。記憶を応用する

  為には、経験の積み重ねが必要なのです。机の上で勉強しているだけでは、新しい経験はできません。万人があこがれる人生の成功者は「丸暗記の達人」

  ではなく、[記憶の引き出しをたくさん持っていて、さらにそれを新しい発想や創造に応用できる人」なのです。例えば、料理のレシピをたくさん暗記している

  だけの人と、いろんなものを食べ歩き、実際に自分でも作ってみる人では、どちらが料理人として成功するでしょうか。おそらく、後者の方が味の記憶の

  引き出しをたくさん持っているから、それらを独自に組み合わせて、より美味しい料理を作ることができるでしょう。また、実際に料理を作ってみると、

  レシピ通りにいかないことも出てきます。微妙な火加減やフライパンの返し方などは、経験を積んでこそコツがつかめるというもの。そして、自分の舌で

  味わった記憶や、身体で覚えた料理の技術は、そう簡単に忘れるものではありません。記憶力を生かして、何かを生み出す為には、外へ出て行動
すること。

  実際に見たり聞いたりして身体で覚えることが大切なのです。