心の健康

                     アルコール依存症、喫煙、薬物依存症 

  ★習慣性の行動

  アルコール依存症

  アルコールに関連した原因による死亡者数は毎年数万人を超える人々が生命を失っています。アルコール依存症に関連する

  生産性の損失と医療費の支出は、年間数兆円になります。

  体内におけるアルコールの作用

  飲み物の中のアルコールはエチルアルコール(エタノール)と呼ばれる無色の液体で、純粋なものはぴりぴり焼けるような味がします。

  エタノールは、大麦やブドウなどの穀物や果物の中に自然に存在する糖分を発酵させて作ります。

  体内に入ったアルコールは鎮静剤として作用し、中枢神経系の働きを抑制します。人によっては、最初の反応は興奮かもしれませんが、

  飲み続けると沈静または気持ちを静かにする効果が出てきます。脳の管理中枢の働きを低下させて、リラックスした気持ちにさせ、

  抑制力を減退させます。飲む量が多ければ多いほど、鎮静作用はそれだけ大きくなります。最初、アルコールは思考、感情、判断を

  司る部分に影響を与えます。さらに飲み続けると、言語と筋肉の協調運動の働きが損なわれ、眠くなります。さらに大量に飲むと、

  アルコールは致命的な毒になります。脳の生命中枢を著しく抑制して、生命に関わる昏睡状態を引き起こすのです。

  過度のアルコール摂取は脳と神経系に悪影響を及ぼし、体細胞、ことに肝臓、

  膵臓、心臓血管系に損傷を与えます。肝臓の酷使は肝硬変という瘢痕化が生じます。

  妊婦がアルコールを飲むと、胎児が損傷を受ける可能性があります。

  アルコールによる中毒作用

  アルコールの中毒作用は、血液中のアルコール濃度と関連しています。常習的酒飲みでない人では、血中アルコール濃度が

  100mg/㎗(デシg)を超えると、かなり酔っ払って、ろれつが回らなくなり、考えたり歩き回ったり出来なくなります。

  血中アルコール濃度が上昇するにつれて、中程度の錯乱から人事不省ふしょうへ、最終的には昏睡状態に陥ることになります。

  アルコール中毒者や常習的な酒飲みには、アルコールに対する耐性ができています。

  食事の量と、食事をしてから飲むまでの時間によって、アルコールに対する反応が違ってきます。体の大きさ、体脂肪、

  アルコールの影響に対する耐性なども、重要な役割を果たします。同じ量のアルコールを飲んだ場合、男性よりも

  女性の方に大きな影響が現れます。女性の体は概して小さく、希釈できるアルコールの量も少ないため、1杯当りの

  血中アルコール濃度がより高くなります。また、アルコールを代謝する速度も、男性よりゆっくりしています。

 アルコールの乱用とは?

  アルコール依存症の特徴がすべてあるわけではないものの、飲酒に関連する問題がある場合は、「アルコールの乱用」または

  「問題のある酒癖」と呼ばれます。このような人たちは過度の飲酒により健康上または社会的な問題を起こしますが、アルコール依存症でも

  、アルコール摂取に対して完全に抑制が効かなくなっているわけでもありません。

  アルコール依存症とは?

  アルコール依存症は慢性病です。しばしば進行性があり、致命的なものになります。アルコールのことしか考えられない時間があり、

  およびアルコール摂取に対して抑制が効かなくなっているという特徴があり、次のような兆候が見られます。

 一人でまたは隠れて飲む     話したことや約束したことを覚えていない     かって楽しんでいた活動や趣味に対する関心を失う

 必ず食前、食事中、または食後に飲むという習慣があり、この習慣が乱されたり問題視されると不機嫌になる

 いつも飲み始める時間が近ずくと、いらいらする。特にアルコールがその場にないとこれが激しい

 家庭、職場、車の中の普通は置かない場所にアルコールをしまっておく

 気分を良くするためにぐい飲みをしたり、ダブルを注文したり、わざと酔おうとする、或いは「正常」だと感じようとして飲む

 人間関係や仕事に問題があったり、経済的或いは法的問題を抱えている

                                    *アルコール依存症判別検査

  貴方はしばしばお酒を飲みますか?     はい   いいえ 

  自分は普通の酒飲みだと考えていますか?     はい   いいえ

  前の晩にお酒を飲んで、翌朝起きた時、前夜の出来事の1部を思い出せないことがある      はい   いいえ   

  貴方の飲酒について、身近な人たちが心配や不平を口にしたことがありますか?      はい   いいえ

  1〜2杯飲んだ後、無理な努力をしなくても飲むのをやめることができますか?      はい   いいえ

  自分の飲酒について、罪の意識を感じたことがありますか?      はい   いいえ

  友人や身内の人たちは、貴方のことを普通の酒飲みだと考えていますか?      はい   いいえ

  そうしたければ、何時でもお酒を飲むのを止められますか?      はい   いいえ

  飲酒癖の為に、断酒会の会合に出席したことがありますか?      はい   いいえ

  お酒を飲んでいる時に、殴り合いの喧嘩になったことがありますか?      はい   いいえ

  回答が次のもである時は、アルコール依存症の危険性があることを示しています。3〜4個ある人は専門家の診察が必要です。

   はい   いいえ   はい   はい   ■いいえ   はい   いいえ   いいえ   はい   はい

  アルコール依存者と乱用者の治療

  両者の大部分は問題を認めようとしないため、治療を受けるのを嫌がります。しばしばプレッシャーを与える必要があります。

  健康や法律の問題が治療を早く受けさせることになるかもしれません。第三者の介入は、アルコール依存患者に治療の必要性を

  認めさせ、受け入れさせるための助けになります。身の回りにこうした心配があるなら、こうした支援について専門家と相談してください。

  一人ひとりに合わせた治療法

  アルコールの問題を抱えている人たちの支援にはいろいろの治療法があり、その人に合わせた治療法を選ぶ必要があります。

  治療法としては、検査、短期の支援、外来患者用プログラムかカウンセリング、入院治療があります。最初に、アルコール依存症かどうかの

  判定が大切です。アルコール摂取に抑制が効かなくなっているのでなければ、治療法に、飲酒回数を減らすことも含まれるでしょう。

  アルコール乱用者であれば、飲み方を変えることができます。依存症の場合は酒量を減らす方法は効果がなく、適切でもありません。

  依存症患者の治療の目標には、断酒が含まれます。依存していないものの、飲酒の弊害が出ている人には、治療の目標は

  アルコールに関連する問題を減らすことになります。これは、カウンセリングや短期の支援によって行われます。普通、短期の介助療法

  としては、専門家に具体的な治療計画を作ってもらうことがあります。この中には目標設定、行動修正法、自助マニュアルの使用、

  カウンセリング、治療センターでのフォローアップ・ケアが含まれます。入院プログラムには断酒、個人療法及び集団療法、断酒開への参加、

  教育講座、家族の参加、仕事の割り当て、活動療法、カウンセラーや様々な分野の専門家との話し合いなどで構成されています。

  入院治療のほかに、鍼治療、生体フィードバッグ、動機高揚療法、認知行動療法、嫌悪療法などの治療法があります。

  嫌悪療法は薬品で吐き気や嘔吐など極めて不快な反応を誘発して、飲酒と組み合わせるものです。こうした組み合わせを何回も

  繰り返して経験させると、アルコールそのものが不快反応を引き起こすようになり、再発する確率が下がります。

  嫌悪療法は魅力的なものではないが効果はあります。

                             *入院治療プログラム

 解毒及び飲酒の中止:治療は解毒プログラムから始まります。通常4〜7日間かかります。精神錯乱やそのほかの禁断症状の発作を

  予防す為、薬が必要になることもあります。

 健康診断と治療:アルコール依存症に関連して一般に見られる病気には、高血圧、高血糖、肝臓病、心臓病があります。

 心理的サポートと精神医学的治療:集団及び個人でのカウンセリングと療法が、アルコール依存症患者の心理面での回復をサポートします。

  時には、この病気の情緒的な症状が精神障害に似ている場合があります。

 回復プログラム:入院治療プログラムを受ける人たちの大部分にとって、解毒と治療は最初の一歩に過ぎません。

 受け入れることと断酒の強調:自分が依存症であり、飲酒を抑制することが出来ない状態にあるという事実を受け入れなければ、

  効果的な治療は不可能です。

 薬物療法:ジスルフィラムというアルコール感作薬が効果的でしょう。アルコールを飲むと、この薬によって顔面紅潮、吐き気、嘔吐、頭痛などの

  激しい身体反応を引き起こします。ジスルフィラムはアルコール依存症を治す薬ではなく、飲みたいという衝動を抑えるものでもないが、

  強力な抑止効果を持っている。以前から麻薬による「高揚感」を抑止する薬として知られているナルトレキソンに、回復期の依存症患者の

  飲酒衝動を抑える効果があることが最近の研究で明らかにされました。しかし、ジスルフィラムと違って即効性がなく、また、副作用もあり、

  特に肝臓に損傷を与える可能性があります。

 継続的なサポート:アフターケア・プログラムと断酒会が、断酒の継続、再発防止、必要とされる生活習慣の改善のために、回復中の

  アルコール依存者を助けます。

              *二日酔いの治療法

  ごく少量でも、アルコールは不快な副作用を引き起こすことがあります。意気揚々とした気分になる人もいれば、赤ワイン、ブランデー、

  コニャックに含まれる化学物資のチラミンに対して反応する人もいます。典型的な二日酔いについては、ずいぶん研究されたが、

  まだ完全には解明されていません。おそらく、脱水症状、アルコールの分解から生じた副産物、肝臓の損傷、過食、睡眠障害が

  原因ではないかと考えられています。二日酔い防止の最善策は飲まないこと、次善の策はほどほどに飲むことです・

  二日酔いになってしまったら手遅れで、健康と機能を改善する為にできることは大してありません。様々な治療法が試されてきたが

  効果があるという証拠は殆どなく、却って害になる可能性さえあります。

  二日酔いになったら次のようにしてください

 休養して、水分を補給すること。刺激の少ない飲み物(水、ソーダ水、ある種のフルーツジュースコンソメスープ)を飲みます。

  酸っぱい飲み物、カフェインやアルコールを含んだ飲み物を避けます。

 処方箋のいらない鎮痛剤を注意して使います。